いろは3013586 views
LaTeX962713 views
りんご211690 views
高校国語788606 views
世界の国564972 views
小学理科720199 views
高校化学2925825 views
MathPython498072 views
高校物理160543 views
高校倫理1440914 views
Help
Tools
NewsSpreadsheetCalendarBookkeepingMarkdown TablesLanguage Model NewsLinux CommandsSlidesTier ListPen ToolIllustrationCrayonWatercolorPixel ArtASCII ArtPerspectiveEndless StairsGraphMind MapER DiagramFamily TreeMemeCurved TextImage EditorMosaicRetro FilterPencil SketchSwirl EffectLine ArtOCR/HighlighterMakeup EditorFaviconVideo TrimmerScrolling VideoVideo TitleColor PickerColor ExtractorBonfireFireworksCherry BlossomWater RippleWater SplashBreaking GlassGlass TextureFabric TextureWood GrainMarble TextureBrick Wall TextureMetal TextureWashi Paper TextureCardboard TextureCSS ButtonIcon MakerBar ChartGrouped Bar ChartStacked Bar ChartPie ChartLine ChartArea ChartStacked Area ChartScatter Plot3D Bar Chart3D Pie ChartBar Chart RaceBubble ChartPopulation PyramidPictogramEarningsCandlestick ChartInvestment RiskMortgage SimulatorCalculatorMatrix CalculatorFunction GraphPolynomial ExpansionVenn DiagramField VisualizerRubik's Cube Group TheoryTraveling SalesmanVoronoi and DelaunayFractalUniversity Entrance Exam MathColumn ArithmeticDraw Math FiguresArithmetic AnimationArithmetic Word ProblemsCounting with Tree DiagramsCube NetsRolling DiceCross SectionsMotion PathMechanicsWavesUniversity Entrance Exam Physics解析力学Quantum MechanicsStatistical MechanicsRelativityCelestial MechanicsAstrophysicsCosmologyElectromagnetic WavesCapacitorsLight and LensesThermodynamicsHow Semiconductors WorkMolecular StructuresAtomic OrbitalsElectrochemical CellsChemical EquilibriumCrystal LatticesBuffer pHOrganic Reaction MapPeriodic TableComplex IonsDNA Double HelixCell DivisionMembrane ChannelsNerve ImpulseMuscle ContractionHormones and HomeostasisRock ClassificationWeatherConstellationsSolar and Lunar Eclipses3D ModelingFloor PlanSeismic StructuresIntersection TurnMaglevCooking AnimationOrigamiLive Viewer CountGeoJSON MapRailway MapPopulation MapCrime MapLand Price MapSchool MapShrine and Castle MapHouse of Representatives MapWord MapSolitaireReversiHakoiri MusumeChessHamburgerRippleSlide Puzzle MakerNeon PinballNovel MakerJapanese Typing PracticePiano Score EditorMusic TheoryShogi StrategyPiano Rhythm Game

English

y から x へ引き直すと傾きが変わる〜単回帰分析と回帰の名前

同じ 10 個の点に最小二乗法で直線を当てると、傾きは 5.000 になります。 の役割を入れかえて引き直し、もとの軸へ戻すと 5.204。

データも方法も同じなのに、2 本の直線は重なりません。何を最小にしているかが違うためです。

この差が、回帰という名前の由来にもつながります。

何を最小にしているのか

説明変数 と目的変数 の関係を、次の形で表します[1]

は誤差で、平均 、分散 を持つとします。 のほうは誤差なしで測れているという扱いです。

最小二乗法が小さくするのは、点から直線までの縦方向のずれの 2 乗和です[1]

縦だけ、というところが要点です。点と直線の最短距離ではありません。 の予測誤差だけを問題にしています。

解のかたち

で偏微分して と置くと、次が出ます[2]

分子は が一緒に動く量、分母は だけが動く量です。共分散を の分散で割った形になっている。

切片の式は、直線が必ず を通ることを言っています。重心を通る直線を、傾きだけ選んでいる。

例:10 個の点から求める

を 1 から 10、 を 38、38、42、54、53、58、69、67、73、83 とします。

平均は です。3 つの平方和を出します。

82.5
2146.5
412.5

傾きは 、切片は

が 1 増えると が 5.00 増える、と読みます。単位のある量なら、傾きにも単位がつく。

残差

各点での実際の値と予測値の差を残差といいます。この例では次のようになります。

の 10 個。
合計はちょうど になる。
を掛けて足したものも になる。
2 乗して足すと 84。

合計が になるのは偶然ではありません。 で微分して と置いた式が、そのまま残差の和が という条件です。

残差の標準偏差は 。割る数が なのは、傾きと切片の 2 つを推定に使ったためです[2]

決定係数

の全変動を、直線で説明できた部分と残った部分に分けます。

説明できた割合が決定係数です。

相関係数 は 0.9802 で、2 乗すると決定係数に一致します。単回帰では と決定係数が同じ数になる。

高い値が出ても、直線が正しいという意味ではありません。曲がった関係でも、範囲が狭ければ は高く出ます。

傾きが でないといえるか

の標準誤差は、残差の標準偏差を で割った値です。

で、自由度は 。両側の p 値は です。

95% 信頼区間は 。傾きが 5 ちょうどだと決まったわけではありません。

が分母にあることに意味があります。 の散らばりが大きいほど傾きの推定が安定する。狭い範囲のデータで傾きを論じると、誤差が大きくなります。

点数を増やすより、 の範囲を広げるほうが傾きの精度に効くことがあります。 の散らばりそのものだからです。

同じ でも、 が 1 から 10 まで散っている場合と 5 から 6 に固まっている場合では、精度がまるで違う。

2 本の直線が一致しない

を入れかえて、 で説明する直線も引けます。傾きは

これを について解き直すと、- の平面では傾き になります。もとの 5.000 と一致しません。

2 つの傾きを掛けると で、決定係数に等しくなります。

は 1 以下なので、2 本の直線は必ずずれます。一致するのは点が完全に一直線に並ぶときだけ。

縦のずれを小さくする直線と、横のずれを小さくする直線は別物、というだけの話です。

「回帰」という名前

名前はゴルトンの実験から来ています。1875 年ごろにスイートピーの種でおこなった観察です[4]

大きい種から採れた次の世代は親より小さく、小さい種からは親より大きいものが採れた。平均のほうへ戻る、という現象です。

はじめ彼はこれを reversion と呼び、のちに regression と呼びかえました[4]。1889 年の『Natural Inheritance』でまとめられ、ピアソンに強い影響を与えています[4]

平均へ戻るように見えるのは、傾きが より小さくなるためです。標準化した変数どうしなら傾きは に等しく、 ならつねに を割ります。

親が平均より 単位高くても、子の予測は 単位ぶんしか高くない。逆向きに回帰すると同じことが反対側でも起きるので、どちらから見ても「戻る」ように見えます。

直線の外へは伸ばさない

得られた式は、データがあった の範囲でだけ意味を持ちます。 から で当てた直線を に使う根拠はどこにもない。

切片も同じです。この例の 30.0 は での予測値ですが、 のデータは 1 つもありません。

切片に意味があるのは、 がデータの範囲に入っているときだけです。範囲の外なら、直線を伸ばした先の数字にすぎません。

のとき、決定係数はいくつですか。

  • 0.75
  • 0.50
  • 3.00
__RESULT__

傾きは 、相関係数は です。決定係数はその 2 乗で 。傾きの は決定係数とは別の量で、単位によっていくらでも変わります。

傾きは単位のある量、決定係数は単位のない割合、残差は 1 点ごとのずれ。3 つを並べて見ると、直線が何を言っていて何を言っていないかが分かります。

参考文献

Linear Least Squares Regression. NIST/SEMATECH e-Handbook of Statistical Methods.
Estimation of the straight line model. NIST/SEMATECH e-Handbook of Statistical Methods.
Linear regression. Encyclopedia of Mathematics.
Francis Galton. MacTutor History of Mathematics Archive.
同じ 10 点に最小二乗法を当てると傾きは 5.000、$x$ と $y$ を入れかえて引き直すと 5.204 になります。最小にしているのが縦のずれだけで、点と直線の距離ではないから。2 つの傾きを掛けると決定係数 0.9609 にちょうど等しくなります。$\hat\beta_1 = S_{xy}/S_{xx}$ と $\hat\beta_0 = \bar y - \hat\beta_1 \bar x$ の意味、残差の和が $0$ になる理由、$n-2$ で割る理由、標準誤差 0.3568 から $t = 14.02$ と区間 $[4.18, 5.82]$ を出すところまで通します。$x$ の散らばりを広げるほうが点数を増やすより効く理由、ゴルトンがスイートピーの種で見つけた現象を reversion から regression と呼びかえた経緯も。