加法定理の sin(α+β)=sinαcosβ+cosαsinβ で、β を α に替えます。
右辺は sinαcosα+cosαsinα となり、同じ項が 2 つ並ぶ。
sin2θ=2sinθcosθ
cos でも同じことをすると cos2θ=cos2θ−sin2θ になります。加法定理に β=α を入れれば、その場で書き直せる。
cos2θ の 3 つの書き方
cos2θ=cos2θ−sin2θ に sin2θ+cos2θ=1 を代入します。
sin2θ=1−cos2θ を入れると cos2θ−(1−cos2θ)=2cos2θ−1。
cos2θ=1−sin2θ のほうを入れれば 1−2sin2θ になる。
cos2θ=cos2θ−sin2θ=2cos2θ−1=1−2sin2θ
3 つとも同じ値です。違うのは、どの関数だけで書かれているか。
| 形 | 含まれるもの | 向いている場面 | | cos2θ−sin2θ | 両方 | 定義に近い形のまま使う |
| 2cos2θ−1 | cos だけ | cosθ の値が分かっているとき |
| 1−2sin2θ | sin だけ | sinθ の値が分かっているとき |
canvas: 式は呼び出しにそのまま書いてください。この引数は焼けません -> drawMath(… faceMath[index] …)
sinθ=31 しか分かっていない場面で cos2θ−sin2θ を選ぶと、cosθ を先に求める手間が増える。
1−2sin2θ を選べば 1−92=97 と 1 行で終わる。3 つある意味はここにあります。
tan の 2 倍角
tan(α+β) に β=α を入れる。
tan2θ=1−tan2θ2tanθ
分母が 0 になる tanθ=±1 のときは使えません。θ=45∘ なら 2θ=90∘ で、tan を定義できない。
tanθ=21 なら 1−412×21=3/41=34。
3 倍角は 2θ+θ に割る
3θ を 2θ+θ と見て、加法定理をあてます。
sin3θ=sin2θcosθ+cos2θsinθ
sin2θ=2sinθcosθ と cos2θ=1−2sin2θ を入れる。
2sinθcos2θ+sinθ−2sin3θ となり、cos2θ=1−sin2θ でさらに sin だけにします。
2sinθ−2sin3θ+sinθ−2sin3θ=3sinθ−4sin3θ
sin3θ=3sinθ−4sin3θ,cos3θ=4cos3θ−3cosθ
係数の 3 と 4 がいれかわり、符号も逆になる。sin は 3,−4、cos は 4,−3。
θ=2π で確かめます。左辺は sin23π=−1、右辺は 3×1−4×1=−1 で、両辺が合う。
cos3θ=4cos3θ−3cosθ は、cosθ の 3 次式 になっています。
θ=20∘ とすると cos60∘=21 なので 8cos320∘−6cos20∘=1。cos20∘ が満たす 3 次方程式です。
例 1:sinθ=31 の鋭角
θ を鋭角とします。まず cosθ=1−91=322 を求める。
sin2θ=2×31×322=942
cos2θ は sin だけの形を使います。
cos2θ=1−2×91=97
sin3θ は 3×31−4×271=1−274=2723。
検算します。
(942)2+(97)2=8132+49=1
2θ の sin と cos が単位円に乗っているため、値は正しい。
次数を下げる向きにも使う
cos2θ=2cos2θ−1 を cos2θ について解きます。
cos2θ=21+cos2θ,sin2θ=21−cos2θ
左辺は 2 次、右辺は 1 次。角は 2 倍になりますが、次数は下がりました。
y=sin2θ のグラフもこの形で読めます。21−cos2θ なので、周期は cos2θ と同じ π。
21 を中心に、振れ幅 21 で上下する。sinθ の周期 2π が、2 乗すると半分になる。
3 倍角も同じ向きに使える。sin3θ=3sinθ−4sin3θ を sin3θ について解く。
sin3θ=43sinθ−sin3θ
3 次が 1 次の和になりました。
倍角の向き
θ の式から 2θ や 3θ を導く。角が大きくなり、次数は下がらない
次数下げの向き
θ の 2 乗や 3 乗を、2θ や 3θ の 1 次式に直す
数値を入れて形を分ける
sin2θ と 2sinθ は別のものです。θ=30∘ で試すと、sin60∘=23 に対して 2sin30∘=1。
2cos2θ−1 と 1−2sin2θ は、θ=0 で分けられます。cos0=1、sin0=0 を入れる。
前者は 2×1−1=1、後者は 1−2×0=1。どちらも cos0=1 と合います。
符号を逆にした 1−2cos2θ を試すと −1 になり、ここで外れる。θ=0 で符号の向きが分かります。
cosθ=41 のとき、cos2θ はどれですか。
__RESULT__
cosθ が分かっているので 2cos2θ−1 を選びます。2×161−1=81−1=−87 です。21 は 2cosθ を計算した値で、公式ではありません。
sinθ=21 のとき、sin3θ はどれですか。
__RESULT__
3sinθ−4sin3θ に入れます。3×21−4×81=23−21=1 です。sinθ=21 を満たす鋭角は 30∘ で、sin90∘=1 とも一致します。
同じ角を入れれば 2 倍角、2θ+θ に割れば 3 倍角。どちらも加法定理まで戻れば導けます。
加法定理の $\beta$ に $\alpha$ を入れれば $\sin 2\theta = 2\sin\theta\cos\theta$ になります。$\cos 2\theta$ に 3 つの書き方がある意味は、手元にある値に合う形を選べる点にある。$\sin\theta = \dfrac{1}{3}$ しか分かっていないなら $1 - 2\sin^2\theta$ を選べば 1 行で終わります。3 倍角は $3\theta = 2\theta + \theta$ に割れば導けて、$\cos 3\theta = 4\cos^3\theta - 3\cos\theta$ からは $\cos 20^\circ$ が満たす 3 次方程式まで書ける。次数を下げる向きの使い方と、$\theta = 0$ や $\theta = 30^\circ$ で形を見分ける手も扱いました。
cosθ が分かっているので 2cos2θ−1 を選びます。2×161−1=81−1=−87 です。21 は 2cosθ を計算した値で、公式ではありません。