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波の高さと繰り返しの幅〜サインとコサインのグラフ

のグラフは、単位円を回る点の高さを、そのまま横へ書き出したものです。

円の上では高さが上下するだけ。横軸に角を置くと、上下の動きが波の形に伸びます[1]。

円が一周する幅がそのまま周期、円の半径がそのまま振幅になる。

単位円をほどく

角 に対する点の座標は 。縦の値だけを追いかける。

で高さ 、 で 、 で 、 で 。

この 4 点を通る滑らかな曲線が です。 でまた に戻り、以後は同じ形の繰り返し。

は横の値を追った曲線になります。 で から始まる点だけが違う。

周期は 2π

円を一周すると同じ位置に戻ります。角でいえば 増えたところ。

この を周期と呼びます[2]。グラフは ごとに同じ形をくり返す。

と はどちらも周期 。 だけ違って、周期は になります。

が成り立つため。半周すると符号が両方とも反転し、比の値は変わりません[2]。

振幅は波の高さ

の値は から までしか動きません。この が振幅。

なら値は から まで。振幅が になります[1]。

一般に の振幅は 。 が負なら上下がひっくり返りますが、高さそのものは 。

のグラフは を 軸で折り返した形。振幅はどちらも 。

振幅は縦の情報、周期は横の情報。 では が縦、 が横を受け持ちます。

振幅 、周期
振幅 、周期
振幅 、周期
振幅 、周期
振幅なし、周期

の周期は です[1]。 が大きいほど波が詰まる。

なら が半分進んだところで一周ぶん動くので、周期は半分の 。

sin と cos は π/2 ずれただけ

2 つのグラフは形がまったく同じです。左右にずれているだけ。

のグラフを左へ 動かすと に重なります[2]。

単位円で見ると理由が分かります。横の座標は、 進んだ点の縦の座標と同じになる。

だから のグラフを別に覚える必要はありません。 を ずらせば済む。

tan のグラフは切れている

なので、 になる点では値がありません。

、 などがそれ。この位置に縦の漸近線が立ちます[2]。

グラフは から までで から まで駆け上がり、そこで切れて次の区間へ移る。

や のような上下の限界はありません。振幅という言葉も には使わない。

周期は 。区間 1 つぶんの幅が、そのまま繰り返しの単位になっています。

偶関数と奇関数

。原点を中心に 回すと自分に重なる。これが奇関数[2]。

で、 軸で折り返すと重なります。こちらは偶関数。

グラフを描いたあと、この対称性で検算できます。 が 軸対称に見えたら、どこかで描きまちがえている。

なので、 も奇関数です。 と同じ形の対称性を持つ。

sin と tan

奇関数。原点対称で、 が成り立つ

cos

偶関数。 軸対称で、 が成り立つ

グラフで解の個数を読む

の解が にいくつあるかを、グラフで数えます。

と横線 の交点を見る。山を昇るときに 1 つ、降りるときに 1 つで 2 個。

なら、頂点でちょうど触れるだけなので 1 個。 なら交点なしで 0 個。

に替えると波が 2 つぶん入るので、交点は 4 個に増えます。

方程式を解く前に個数を知っておくと、解き落としに気づけます。

まちがえやすい点

の周期を とする誤りが多い。 で割るので と縮みます。

なら と伸びる。 が より小さいときに伸びます。

と の区別も曖昧になりやすい。前者は縦に伸び、後者は横に縮む。

に振幅を当てはめる誤りもあります。値の上限がないので、振幅という量が定義できない。

の振幅と周期はどれですか。

  • 振幅 、周期
  • 振幅 、周期
  • 振幅 、周期
__RESULT__

の振幅は 、周期は です。、 なので振幅 、周期 になります。 は に をかけた値で、割るところをかけた形です。

対称性も確かめます。

の値はどれですか。

__RESULT__

は偶関数なので です。したがって になります。符号が変わるのは と のほうで、そちらは奇関数です。

円を横にほどけばグラフになる。 だけは切れ目が入るので、漸近線の位置を先に置いてから描きます。

出典

Graphs of the Sine and Cosine Functions. Algebra and Trigonometry 2e, OpenStax.
É. Bouchet. Trigonométrie, Cours de PCSI, Proposition 2.1 と 2.2(周期、偶奇、 の漸近線).
$y = \sin x$ のグラフは、単位円を回る点の高さを横へ書き出したものです。この見方をつかむと、円が一周する幅が周期、円の半径が振幅だと直接読める。$y = a\sin bx$ では $a$ が縦、$b$ が横を受け持ち、周期は $\dfrac{2\pi}{|b|}$ と割り算になります。$\cos x = \sin\left(x + \dfrac{\pi}{2}\right)$ なので、$\cos$ のグラフを別に覚える必要はありません。$\tan$ に振幅がない理由、$\cos x = 0$ の位置に漸近線が立つ理由、偶関数と奇関数を検算に使う手も扱いました。