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正弦定理と余弦定理、どっちを使うか迷ったら

図の値を見て、向かい合う辺と角のペアがあったら正弦定理、なかったら余弦定理、と考えてもいいかもしれない。

は外接円の半径。

向かい合う組が要るのはどちらか

正弦定理は という分数を使う。この分数を 2 個つくれないと等式ができないため、向かい合う組が 2 ペア必要。

余弦定理は違います。 には、辺が 3 つと角が 1 つ。

だから 2 辺と挟む角、あるいは 3 辺という並びに向いています。正弦定理のほうは分数が 1 つしかつくれないので、この並びでは立式できません。

与えられたもの使う定理求まるもの
2 角と 1 辺正弦定理残りの辺
2 辺と 1 対角正弦定理もう 1 つの角
2 辺と挟む角余弦定理残りの辺
3 辺余弦定理すべての角

2 角が分かれば 3 つ目の角は引き算で求まる。 なので、実質は 3 角と 1 辺。

例:2 角と 1 辺

、、 の三角形で を求めます。

と が向かい合っていて、 も分かっているので、正弦定理が使えます。

。 のほうが より大きいので になるはずで、実際そうなっています。

例:2 辺と挟む角

、、 で を求めます。

向かい合う組は と だけで、その が未知。正弦定理では立式できません。

。 と のあいだに収まりました。

三角形の成立条件は なので、範囲にも入っている。

例:3 辺から角を出す

、、 で を求めます。角が 1 つも分かっていないので余弦定理。

を について解くと、3 辺から角が求まる形になります。

値を入れる。

が負なので は鈍角で、 になる。

最も長い辺の向かいが最も大きい角になる。 が最長なので、 が鈍角なのは自然。

2 辺と対角では形が 2 つ決まることがある

、、 とします。向かい合う組が と なので正弦定理が使える。

から 。

ここで が 2 つ現れます。 を満たすのは より小さい角と大きい角で、 の表を引くとおよそ と 。

どちらも を満たすので、三角形が 2 つできてしまいます。

2 辺と、挟まない角が与えられた形では、こうした食い違いが起きる。両方を答えるか、追加の条件で絞る。

なら三角形は存在しません。 なら直角三角形が 1 つ。 のときは、鈍角の候補が を満たすかどうかで、2 つになったり 1 つになったりします。

2 辺と対角が与えられる

正弦定理で sin B を求める

鋭角と鈍角の 2 つを候補に立てる

A + B < 180 を満たすものだけ残す

面積は挟む角で決まる

三角形の面積は、2 辺とその挟む角で決まる。

底辺 、高さ と読めば、小学校で習った式そのもの。

3 辺しか分かっていないなら、ヘロンの公式が使える。 として次の形。

、、 なら で、。

余弦定理で と求めたので、 で、ヘロンの公式と同じ値になりました。

まちがえやすい点

余弦定理で、辺と角の対応をずらす誤りが多い。 の式に現れる角は、 の向かいの 。

のように、添字を 1 つずつずらして書く。

正弦定理を の向きで書くこともありますが、比の値が逆数になるだけで内容は同じ。

ただし と等しくなるのは のほう。逆向きに書いたら になる。

から角を求めるときに、鈍角の候補を落とす誤りもよく起きます。 は と のあいだで同じ値を 2 回とるので、候補は 2 つになる。

、、 のとき、 の値はどれですか。

__RESULT__

です。 なので 、 になります。符号を とすると で 、 の項ごと落とすと で になります。

使い分けのほうも確かめます。

、、 のとき、 を求めるにはどうしますか。

  • 余弦定理をそのまま使う
  • を求めてから正弦定理を使う
  • 面積の公式から逆算する
__RESULT__

と向かい合うのは ですが、 はまだ分かっていません。 と先に求めれば、 が立ちます。余弦定理は 2 辺が要るので、この並びでは使えません。

向かい合うペアが 2 つあれば正弦定理、なければ余弦定理。ただし 2 辺と対角のときは、正弦定理を使ったあとに候補が 2 つ残ることがあります。

図の値に、向かい合う辺と角のペアが 2 つあるか。あれば正弦定理、なければ余弦定理です。$\dfrac{a}{\sin A}$ という分数を 2 つ並べないと等式が立たないので、ペアが 1 組しかない形は余弦定理に回ります。余弦定理に $A = 90^\circ$ を入れると $\cos$ の項が消えて三平方の定理に戻り、$-2bc\cos A$ が補正項として見えてくる。$a=6$、$b=8$、$A=30^\circ$ で三角形が 2 つできてしまう理由と、外接円の半径を $\dfrac{a}{\sin A}$ で測る仕組みまで。