なぜ度をやめてラジアンを使うのか(弧度法の意味)
一周を に分ける理由は、円の側にはありません。 は人が選んだ数です。
、、、、、、、、 で割りきれる。分けやすいから選ばれた、便利な数にすぎません。
ラジアンは違います。円そのものが持っている量、つまり弧の長さで角を測ります[1]。
半径と同じ長さの弧を切りとる角が ラジアン。人の都合が入っていない測り方です。
長さの比なので単位がない
は、長さを長さで割った値です。メートルで測ってもセンチで測っても同じ。
だから単位が消えます。rad という記号はありますが、書かなくてよい記号です[1]。
度は違います。 と書いただけでは意味が定まらず、 と記号を付けなければならない。
と が別の値になるのは、この差から来ています。前者は ラジアンの正弦です。
単位が消えると、ほかの数と自由に混ぜられます。 のような式が意味を持つ。
式から 360 が消える
弧の長さを度で書くと です。 で割って一周のうちの割合を出している。
ラジアンなら で終わります[1]。割合を出す手順が、定義の中にすでに入っているためです。
扇形の面積も同じ。度では 、ラジアンでは 。
も も式から消えました。 は の中に隠れています。
半径 、中心角 なら弧は 、面積は 。暗算で出ます。
小さい角では sin x と x がほぼ同じ
をラジアンで測るとき、 が小さければ は にほとんど等しくなります。
なら 。 なら です。
差はどんどん小さくなり、比は に近づきます[2]。
理由は弧と弦の関係にあります。 は弧の長さ、 は弦の端の高さ。角が小さいほど、この 2 つは見分けがつかなくなる。
度ではこうなりません。 を度で測ると で、半端な定数が残ります。
微分の形がきれいになる
を微分すると です[3]。余計な係数が付きません。
この簡潔さは、ラジアンで測っているからこそ成り立ちます。
度で測ると係数が現れます。 を度とすると、 なので次の形になる。
が、微分するたびに掛かってきます。2 回微分すればその 2 乗。
物理や工学の式に が出てこないのは、この係数を避けているためです。
。。式に余計な定数が出ない
微分のたびに が掛かる。極限も にならず、式が汚れていく
回転の速さを表すのにも向く
一定の速さで回る点を考えます。1 秒あたり何ラジアン進むかを と書く。
時刻 での角は です。半径 なら、点が進んだ道のりは 。
弧の長さの式がそのまま使えるので、速さは とすぐ出ます。
度で測ると、ここに を挟まなければなりません。式が 1 段階増える。
角と長さを行き来する場面では、ラジアンのほうが手数が少なくて済みます。
角を弧の長さで定義する
長さの比なので単位が消える
弧・面積・微分の式から 360 と π が消える
まちがえやすい点
を角度そのものと思い込む誤りがあります。 は に当たる数であって、単位ではありません。
は 、 は 。 を含まない ラジアンのような角も、ふつうに存在します。
を と読む誤りも多い。記号のない角はラジアンです。。
なので、桁ごと違ってきます。電卓のモード表示を先に見ます。
の に度を入れる誤りもよく起きます。この式はラジアン専用です。
半径 、弧の長さ の扇形の中心角は何ラジアンですか。
微分の形も確かめます。
が係数なしで成り立つのはどんなときですか。
- を度で測ったとき
- をラジアンで測ったとき
- 測り方によらずいつでも
を度で測ると となり、微分に が掛かります。係数が消えるのはラジアンで測ったときだけです。この簡潔さが、数学でラジアンを標準にする理由になっています。
は人が選んだ数、ラジアンは円が持っている数。式が短くなるのは、後者が自然だからです。














θ=rs に s=2π、r=3 を入れます。3π/2=6π です。度に直すと 30∘ になります。23π は割るところを掛けた値です。