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三角関数の積分(次数を下げるか、和に開くか)

積分は微分の逆なので、公式も微分をひっくり返せば出ます。

負号の位置が入れ替わりました。微分では に負が付き、積分では に付きます。

確かめは微分するだけ。 なので、確かに戻ります。

問題になるのは公式にない形です。 も も も、表には載っていません。

そのまま積める 3 本

3 本目は の裏返しです[3]。

中身が になると、外に が出ます。微分で が出たぶんを打ち消す形。

です。 を掛けるのではなく割ります。

2 乗は半角で落とす

には原始関数の公式がありません。まず 1 次式へ落とします[1]。

こうなればそのまま積めます。

なら符号が逆になり 。

という項が出るところが要です。三角関数を積んだのに、三角関数でない項が残ります。

意味もあります。 の平均は なので、長い区間で積むと のように増えていく。

積は和に開く

は積のままでは積めません。積和で開きます[2]。

。

に、それぞれの中身の と が掛かった係数です。

は 2 倍角のほうが速い。 なので 。

と書いても正解です。2 つの答えは定数だけ違います。

。差は で、 に吸収されます。

原始関数が 見た目の違う 2 通り で出るのは、よくあることです。

差が定数なら、どちらも正しい。引き算して定数になるかどうかで確かめられます。

奇数乗は 1 つ外して置きかえる

を求めます。半角では 3 乗が落ちません。

を 1 つだけ外し、残りを で書きます。

と置くと 。外した が、ちょうど に化けます。

を戻して です。

奇数乗なら必ずこの手が効きます。1 つ外せば偶数乗が残り、相互関係でもう一方に書き換えられるため。

偶数乗のときは外せません。半角で次数を下げる道を使います。

tan の積分

は と書き直します。

分母の微分が 、つまり分子の 倍になっています。

と置くと なので 。

絶対値が要ります。 は負にもなるためです。

定積分では対称性が効く

は計算せずに と分かります。 が奇関数だからです。

原点の左右で符号が反対の面積が出て、打ち消し合う。

は偶関数なので になります。片側を 2 倍すれば済む。

はどうでしょう。 が奇、 が奇なので、積は偶関数です。

だから と半分に減らせます。部分積分で計算すると 。

積分する前に偶奇を見る。それだけで手数が半分になることがあります。

まちがえやすい点

を とする符号ミスが最も多い。負号が付きます。

微分と積分で負号の付く相手が入れ替わる、と押さえます。微分は 、積分は 。

で を掛けてしまう誤りもよく起きます。割るほうです。

を とする誤りも根強い。微分して確かめれば、すぐ違うと分かります。

積分定数 の書き忘れも減点になります。不定積分では必ず付けます。

はどれですか。

__RESULT__

です。 なので になります。微分して確かめると で、もとに戻ります。

2 乗の形も確かめます。

の値はどれですか。

__RESULT__

に直すと です。 の平均が で、幅が なので 、と読むこともできます。

そのまま積めるか確かめ、無理なら次数を下げるか和に開く。積分はこの判断から始まります。

参考文献

Double-Angle, Half-Angle, and Reduction Formulas. Algebra and Trigonometry 2e, OpenStax(次数を下げる公式).
Sum-to-Product and Product-to-Sum Formulas. Algebra and Trigonometry 2e, OpenStax(積和で積を開く).
Trigonometric functions. Encyclopedia of Mathematics().
$\int \sin x\, dx = -\cos x + C$ で、微分のときとは負号の付く相手が入れ替わります。困るのは公式にない形のほう。$\sin^2 x$ は $\dfrac{1-\cos 2x}{2}$ に落としてから積み、$\sin 3x\cos x$ は積和で和に開きます。$\sin^3 x$ のような奇数乗は $\sin x$ を 1 つ外して $u = \cos x$ と置けば片づく。$\int \sin x\cos x\, dx$ が $-\dfrac{1}{4}\cos 2x$ とも $\dfrac{\sin^2 x}{2}$ とも書ける理由、$\int \tan x\, dx$ に絶対値が要る理由、偶奇で手数を半分にする手まで。