1 の 3 乗根とは、その数を 3 乗すると 1 になるような数で、高校数学では ω(オメガ)で表す。1 の 3 乗根は次の三つ。
1, 2−1+3i, 2−1−3i
一般的に 1 の n 乗根は n 個存在する。
証明
2−1+3i の 3 乗が 1 であることを確かめよう。
(2−1+3i)3=(2−1+3i)(2−1+3i)(2−1+3i)=(4−2−23i)(2−1+3i)=(2−1−3i)(2−1+3i)=(44)=1
ちょっとしたポイント
上の途中式からわかるように 2−1+3i の 2 乗は 2−1−3i になります。実は 2−1−3i の 2 乗も 2−1+3i になります。
(2−1+3i)2=2−1−3i(2−1−3i)2=2−1+3i
したがって 1 の 3 乗根のうち 1 以外の複素数を ω とすると、 1 の 3 乗根は 1, ω, ω2 となります。
1 の 3 乗根に関する公式
1 の 3 乗根のうち 1 以外の複素数を ω とします。
① 1 の 3 乗根は 1, ω, ω2
② ω3=1
③ ω2+ω+1=0
三番目の公式は二番目の公式から導くことができます。
ω3=1ω3−1=0(ω−1)(ω2+ω+1)=0ω2+ω+1=0 (ω=1)