asinθ+bcosθ=a2+b2sin(θ+ϕ)
が成り立つ。ただし
⎩⎨⎧sinϕ=a2+b2bcosϕ=a2+b2a
である。
上の公式を三角関数の合成公式という。数学Ⅱの三角関数で必ず習うこの公式は、実はベクトルの内積の形をしている。
asinθ+bcosθ=(b, a)⋅(cosθ, sinθ)
ベクトル m=(b, a) は動かないベクトル、ベクトル x=(cosθ, sinθ) は動くベクトルである。ベクトル x=(cosθ, sinθ) は θ によって方向を変えるが、長さは常に 1 である。
∣x∣=(cosθ)2+(sinθ)2=1
したがって m=(b, a) と x=(cosθ, sinθ) のなす角を ϕ とすると
asinθ+bcosθ=(b, a)⋅(cosθ, sinθ)=a2+b2⋅1⋅cosϕ
となり、asinθ+bcosθ の最大値が a2+b2 、最小値が −a2+b2 であるとわかる。
サインとコサインの和の最大値と最小値は、三角関数の合成を使わなくともベクトルの内積で求められる。