横にずらして縦に伸ばす〜三角関数のグラフの変形
のグラフは、 を 4 通りに変形した形です。
縦に 倍、横に 倍、右へ 、上へ 。数字の役割はこれで全部です。
一般形は次のように書きます[1]。
が振幅、 が周期、 が横のずれ、 が中心の高さ。
つまずくのは のところです。 をそのままずれと読むと外れます。
縦の伸縮は素直
は、 の各点の高さを 3 倍にしたものです。
値は から まで動きます。振幅が になりました。
が負なら上下がひっくり返ります。 は を 軸で折り返した形。
振幅は なので です。折り返しても高さは変わりません。
を足すと全体が上下に動きます。 なら中心線が に上がる。
値の範囲は から になります。 は伸ばすのではなく、まるごと持ち上げる数です。
横の伸縮は逆向きに効く
は、 を横に 倍に縮めた形です。
を掛けたのに縮む。ここが直感に反します。
理由は、中身が同じ値になる が半分で済むからです。 が で山になるなら、 は で山になる。
周期は です[1]。 なら 、 なら 。
が大きいほど波が詰まり、小さいほど間延びします。
| 縦に 3 倍。振幅 | |
| 横に 倍。周期 | |
| 上へ 3。中心線 | |
| 右へ 3 |
横のずれは中身を 0 にする x
のずれはいくつでしょう。 ではありません。
中身を にする を探します。 から 。
つまり右へ です。 で割ったぶんだけ、見た目のずれは小さくなります。
式のほうを変形しても同じことが分かります。。
くくり出した形にすると、 から引かれている数がそのままずれになります[1]。
でくくる。これが横のずれを読む唯一の確実な手順です。
を「右へ 」と読む誤りは、 でくくらずに だけを見た ときに起きます。
とくくれば、ずれは だと目で見えます。
例:y = 3sin(2x - π/3) + 1
順に読んでいきます。まず でくくる。
なので、。
振幅は 、周期は 、右へ 、上へ 。
値の範囲は から までです。
最大になる も出せます。 の中身が のとき。
から 。
で になります。周期が なので、 ごとに山が来る。

sin と cos は書き換えられる
を で書き直します。
を使います[2]。
中身から を引いて 。
同じグラフを で書いただけです。振幅も周期も中心線も変わりません。
問題文が で与えられているときは、 のまま読むほうが早い。書き換えは必要なときだけ。
。 で中心線を横切って昇る
。 で山の頂上に来る
まちがえやすい点
のずれを とする誤りが最も多い。 でくくって です。
を「横に 2 倍」とする誤りも同じくらい起きます。中身に掛かる数は逆向きに効きます。
と の区別も曖昧になりやすい。前者は上へ、後者は左へ。
外に足すか中に足すかで、動く向きが縦と横に分かれます。中に入っているものは横に効く。
の振幅を とする誤りもあります。振幅は なので 。
のグラフは、 をどれだけ動かした形ですか。
- 左へ
- 左へ
- 右へ
値の範囲も確かめます。
のとる値の範囲はどれですか。
が から なので、 は から です。 を足すと から になります。 が負でも範囲の幅は変わらず、中心が に移るだけです。
でくくり、振幅、周期、ずれ、中心線の順に読む。グラフの変形はこの手順で片づきます。












3x+2π=3(x+6π) とくくります。x に足されているので左へ、量は 6π です。2π をそのまま読むと、B で割る手順が抜けています。