複素数に大小はないのに絶対値があるのはなぜか?原点からの距離として測る
の絶対値は、点 と原点の距離で決めます。
複素数どうしに大小の順序はありませんが、距離のほうは実数なので比べられる。 は の大きさを表す実数です。
実数のときと地続き
なら で、定義に入れると根号の中が になります。
これは実数の絶対値そのもの。 で、数直線上の原点からの隔たりと一致する。
数直線での距離を、平面での距離へ広げた形。 も も、同じ 1 つの決め方から来ています。
例:三平方の定理で読む
なら、横に 、縦に 進んだ点。原点からの距離が直角三角形の斜辺になる。

基本の性質
距離として決めたぶん、次の 3 つはそのまま読みとれる。
1 本目は距離が負にならないところ。原点との距離が なら、その点は原点そのものです。
2 本目は、 が実軸について、 が原点について と対称な点だから。鏡に映しても原点からの隔たりは変わらない。
3 本目は からで、根号を消したいときに使う形。
かけ算と割り算は通り抜ける
絶対値は積と商をまたいでも形を変えない。
極形式で書けば、かけ算のときに絶対値どうしがかけ算になるという話そのもの。 の断りは、割る側にいります。
展開してから測っても同じ値に着きますが、先にほどくほうが根号が小さくて済みます。
足し算だけは等号にならない
は と一致しないことのほうが多く、不等号でつながります。
原点、点 、点 を結ぶと三角形になり、1 辺の長さが残り 2 辺の和を超えないという関係。等号が成り立つのは 3 点が一直線に並ぶとき、つまり と が原点から見て同じ向きにあるときです。
、 なら左辺が 、右辺が 。、 なら左辺も右辺も で等号になります。

のとき はどれですか。
が表す点
は原点から距離 の点を集めたもの、つまり中心が原点で半径 の円。
なら単位円。この上の点は を満たすので、共役が逆数と一致します。
を満たす実数 はどれですか。
- のみ
の両辺を 乗して 、 です。 になります。 を とすると を選ぶことになる。
絶対値は を実数へ写す道具で、写したあとは大小を比べたり、方程式に入れたりできます。 そのものには順序がないところを、距離が引き受けている。













絶対値は累乗をまたいで通るため ∣z4∣=∣z∣4=34=81 です。12 は 3×4 で、指数を係数として扱った形になります。