運動量保存則が成り立つ理由(作用反作用・内力・外力)

ぶつかる 2 球にはたらく力

2 個の球が正面から近づいて、触れます。触れているあいだ、1 個目は 2 個目を押し、2 個目は 1 個目を押し返します。

この 2 つは作用と反作用です。向きは逆で、大きさは等しい。衝突が激しいかどうかにはよりません。いつでも成り立ちます。

「重い球のほうが強く押す」と思いたくなりますが、そうではありません。押し合う力は同じです。違うのは、その力を受けたときの速度の変わり方のほうです。

図では触れているあいだの 2 本を出しています。長さは同じで、向きだけが逆です。強さは変わりますが、2 本そろって変わります。

時間も同じ

力の大きさが等しくても、はたらいた時間が違えば力積は違います。ですから時間も見ておきます。

触れているのは、2 個で同じ 1 つの期間です。1 個目が触れているあいだだけ、2 個目も触れています。当たり前のようですが、ここが効きます。

力が同じで時間も同じなら、力積も同じ大きさになります。向きは逆のままです。

図の 2 つのグラフは、同じ形を上下に裏返したものです。面積が等しく、符号だけが違います。

足すと 0

力積は運動量の変化でした。ですから 1 個目の変化 と 2 個目の変化 は、大きさが同じで向きが逆になります。

式に書けば 、移項して です。

つまり、2 個の運動量の和は変わりません。増えたぶんと減ったぶんが、ちょうど打ち消し合っています。

これが運動量保存則です。作用反作用の法則を、力ではなく運動量で言い直したものだと言えます。

外から力が来なければ

ここまでで見たのは、2 個が互いに及ぼし合う力だけです。これを内力といいます。内力はいつでも打ち消し合います。

打ち消せないのは、外から来る力です。壁にぶつかれば壁が押し、床に摩擦があれば床が押します。そのときは合計も変わります。

シミュレーターのトラックに壁も床もないのは、そのためです。左端と右端は同じ 1 点につないであるので、そこを通っても力を受けません。外力が 1 つもない状態を作ってあります。

図の棒は 3 本です。上の 2 本は衝突のたびに跳ねますが、いちばん下の合計だけは動きません。

等加速度直線運動シミュレーター傾きが加速度、面積が変位時刻を知らなくても解ける負の加速度は減速とは限らない落ちるのも投げ上げるのも同じ運動
斜方投射シミュレーター横と縦は別々に動く消えるのは時間いちばん飛ぶのは 45°
摩擦シミュレーター摩擦は言いなり面を押す強さで決まるすべり出す角は重さによらない
立てかけた棒シミュレーター力がつり合っても倒れる壁はなめらか、床はざらざら立てるほど倒れにくい
滑車シミュレーター張力は足すと消える張力は重さではない動き出すには重さが要る
ジェットコースターシミュレーター道すじは関係ない谷で重く、丘で軽い2.5 倍の高さが要る
運動量保存則シミュレーター力積が運動量を変える内側で打ち消し合うもう 1 本は反発係数
衝突シミュレーター壁は運動量を持っていくはずむたびに e² 倍無限に跳ねても止まる
円運動シミュレーター速さが同じでも加速している向心力という力はない傾けるほど速く回る
ばねの単振動シミュレーター単振動は等速円運動の影速度と加速度も同じ円の影エネルギーは形を変えるだけ
単振り子シミュレーター小さく振れる振り子はばねと同じ高さが速さを決める加速する電車では鉛直が傾く
惑星運動シミュレーター月も落ち続けている近いところほど速い周期は軌道の大きさで決まる速ければ二度と戻らない