ばねは、のびても縮んでも、いつも自然の長さへ戻ろうとします。この戻そうとする力を復元力といいます。
大事なのは 2 つだけです。大きさが変位 に比例すること、向きが と逆であること。式に書けば です。この は「逆を向く」という意味であって、力の値が負になるという意味ではありません。 が負なら は正になります。
復元力を運動方程式に入れます。 です。両辺を で割ると になります。
加速度が変位に比例して、向きが逆。単振動とは、この形の運動のことをいいます。ばねだから単振動になるのではありません。この形になったから単振動なのです。だから、ばねでなくても、力がこの形になれば同じ運動になります。
ここで をまとめて と書くことにします。名前をつけただけで、まだ何も示していません。式は になりました。
を満たす動きを、私たちはもう知っています。等速円運動です。
半径 の円を角速度 で回る点に、真上から光を当ててみます。下の直線に落ちた影は、左右に往復します。この影の加速度を計算すると、ちょうど になります。つまり影の動きは、さきほどの運動方程式をそのまま満たしています。
だから単振動の位置は と書けます。時刻の始まりをどこに取るかで にも にもなりますが、同じ振動です。 を振幅、 を角振動数といいます。円の半径が振幅、回る速さが角振動数。 が「角」振動数と呼ばれるのは、もとが円を回る角速度だからです。
影が 1 往復するのは、点が円を 1 周するときです。だから単振動の周期は、円運動の周期そのものです。 となります。
でしたから、 です。おもりが重いほど遅く、ばねが硬いほど速い。式の分子と分母を見れば、どちらへ効くかが分かります。
そしてこの式に は出てきません。大きく振れても小さく振れても、1 往復にかかる時間は同じです。これを等時性といいます。半径の違う円でも、同じ角速度で回っていれば、影は同時に端に着いて同時に戻ってきます。