7月10日の東京株式市場で、日経平均株価は大幅続伸した。大引けは前日比813円88銭高の6万8557円73銭。前場には一時6万9000円台を回復し、上げ幅が1600円を超える場面もあったが、後場は利益確定売りに押されて伸び悩んだ。大引けにかけては、上場投資信託(ETF)の分配金捻出に伴う換金売りが出るとの観測も重荷となった。

買いの中心はAI・半導体関連だった。前日の米国市場では、マイクロン・テクノロジーが大規模な国内投資計画を打ち出すなどしてハイテク株が上昇し、原油価格の下落も追い風となった。東京市場でもこの流れを引き継ぎ、半導体のSKハイニックスや東京エレクトロン、アドバンテスト、傘下の英アームが9%高となったソフトバンクグループなどに資金が向かった。フラッシュメモリーのキオクシアは前場に一時10%を超えて急伸する場面もあった。SKハイニックスは今年上半期に約300%上昇しており、AIインフラ投資の拡大が半導体株全体を押し上げている。

もっとも、上昇の裾野は狭かった。値がさの数銘柄が指数を大きく持ち上げた構図で、東証プライムでは値下がり銘柄も目立ち、相場全体が一様に強いとは言いにくい。

前場はソフトバンクG、東エレク、アドバンテスの3銘柄だけで指数を1000円程度押し上げ、半導体・AI関連株への買いが相場上昇を主導した。

財経新聞(日経平均は大幅続伸、買い優勢で上げ幅拡大)

個別では、ファーストリテイリングも相場を支えた。同社は10日、2026年8月期の連結業績予想を上方修正し、営業利益の見通しを7000億円から7300億円へ引き上げた。今期に入って3度目の増額で、純利益は従来予想を上回る5000億円(前期比15%増)を見込む。

海外ユニクロ事業がけん引する。今期に入り3四半期連続で四半期ベースの売上収益が1兆円を突破

ダイヤモンドZAi(ファーストリテ、26/8上方修正)

最高値圏での一進一退

日経平均は6月に初めて7万円台に乗せ、6月22日には7万2353円の史上最高値を付けた。その後は高値警戒から上下を繰り返しており、この日の大幅続伸も、最高値には届かない水準での戻りだった。一方で、長期金利は10年債利回りが2.7%程度と約29年ぶりの高水準にあり、金利の上昇が株式の割高感につながるとの警戒もくすぶる。年末に向けては強気の見方が根強い半面、急ピッチの上昇への慎重論も消えていない。

今後の焦点

テクニカル面では、68600円台に位置する25日移動平均線が上値抵抗として意識され始めており、短期の上値余地は限られるとの声もある(財経新聞)。当面は米国のハイテク株と長期金利の動き、7月30〜31日の日銀金融政策決定会合と展望レポートが相場の方向を左右する。1ドル=162円前後の円安が続くなか、輸出企業の採算改善と輸入インフレのどちらが強く意識されるかも、物色の分かれ目となる。