ファストリ、9か月の営業益36%増で最高益 海外ユニクロ牽引、通期3度目の上方修正
2026年7月10日 21:17
ファーストリテイリングが7月9日に発表した2026年8月期第3四半期(2025年9月〜2026年5月の9か月間)決算は、売上収益が前年同期比17.1%増の3兆651億円、営業利益が36.2%増の6,143億円、純利益が25.6%増の4,260億円と、いずれも同期間として過去最高を更新した。3〜5月の3か月だけでみても、営業利益は45.7%増の2,137億円と、市場予想(約1,777億円)を大きく上回った。
成長をけん引したのは、海外のユニクロ事業だ。北米や欧州、中国など、ほぼすべての地域で増収増益となった。
海外ユニクロ事業の第3四半期9カ月間累計の売上収益は1兆8,340億円(前年同期比25.9%増)、事業利益は3,453億円(同45.4%増)と、大幅な増収増益となりました。
ファーストリテイリング(2026年8月期 第3四半期決算)
北米ではシカゴやニューヨーク、ボストンに大型店を相次いで開き、欧州でも英国ブリストルなど新規都市へ出店した。欧州で売上高5,000億円、北米で3,000億円という目標は、1年前倒しで今期中に達成できる見込みだ。国内ユニクロも堅調で、事業利益は15.1%増えた。
好調を受け、会社は通期(2026年8月期)の業績予想を上方修正した。売上収益を3兆9,700億円(前期比16.7%増)、営業利益を7,300億円(同29.4%増)、純利益を5,000億円(同15.5%増)へ引き上げた。上方修正は今期3度目で、純利益は6年連続の最高益を見込む。海外での成長で、製造小売り(SPA)ではスペインのインディテックス(ZARA)に次ぐ世界2位となり、スウェーデンのH&Mを抜いた。
好決算でも株価は下落
それでも、10日の株価は約4%下落し、8万1,800円で引けた。決算発表前に52週高値近くまで買われていた反動に加え、目先の材料が出尽くしたとの見方が広がった。岡﨑健・最高財務責任者(CFO)は、1ドル=162円近辺の円安で海外の利益を円に換算した際の価値が目減りすることや、欧州の熱波が夏物衣料の販売に響く可能性にも触れた。
ただ、第4四半期は増益率鈍化の見通しになっているほか、27年8月期のガイダンスリスクも高まっているもようで、目先の出尽くし感が徐々に優勢に。
財経新聞(ファーストリテ 大幅続落)
今後の焦点
ファストリは、営業利益1兆円という中期の目標へ着実に歩を進めている。焦点は、けん引役の海外ユニクロが勢いを保てるかだ。円安は円換算の追い風と目減りの両面を持ち、欧米での出店ペースや秋冬商戦(秋冬物は4%弱の値上げを予定)の成否が、次の成長を左右する。