大阪府貝塚市で約30年前に見つかり、きしわだ自然資料館(大阪府岸和田市)に収蔵されていた化石を再調査したところ、白亜紀後期の海生爬虫類モササウルス類で、国内では初めてとなる上あごの先端の骨などが確認された。岡山理科大学と東京都市大学、きしわだ自然資料館などの共同研究グループが2026年7月1日に発表した。

化石は1990年末から1992年にかけて貝塚市蕎原で見つかったが、長く岩石に埋もれたまま保管されていた。研究チームが岩石を丁寧に取り除いてクリーニングしたところ、新たに4点の骨が現れた。このうち上あごの先端をつくる「前上顎骨」は、国内のモササウルス類では初めての確認だという。

さらに、脳の近くにある骨には、ほかのモササウルス類とは異なる特徴が見つかった。

左右に短い角のような突起が水平に張り出していること、また通常みられる溝がないことが確認されました

岡山理科大学(モササウルス類の前上顎骨を国内で初めて確認 他に類例ない特徴も)

骨の大きさから、全長は約6メートルと推定される。研究チームは、この化石が頑丈なあごと歯を持ち「海のティラノサウルス」とも呼ばれるプログナソドン属に分類されるとみている。そのうえで、既知の種とは異なる形質があることから、新種の可能性もあるとみて詳しく調べている。

新種である可能性もあるとみて詳しく調べています

岡山理科大学

モササウルス類は、恐竜と同じ時代に海で栄えた大型の爬虫類で、白亜紀の終わりに姿を消したとされる。ヒレ状の四肢で泳ぎ、魚やアンモナイトなどを捕食した。日本各地でも化石が見つかっており、和歌山県では新種「ワカヤマソウリュウ」が報告されている。約7000万年前のものとみられる今回の標本は、その仲間の広がりや多様性を知る手がかりとなる。

研究チームは、白亜紀の北西太平洋沿岸地域における海の生態系の解明につながる成果だとしている。頑丈なあごを持つプログナソドン属は世界各地で見つかっているが、北西太平洋の沿岸域で報告されるのは今回が初めてとされ、この海域にどんな生き物がいたのかを知る手がかりになる。発掘から30年以上を経て保管されていた岩石が新たな発見を生んだことは、博物館などに眠る標本の価値をあらためて示している。収蔵資料を最新の知見で見直すことで新たな価値が見いだされた形で、研究成果は2026年6月27日、大阪公立大学杉本キャンパスで開かれた第177回日本古生物学会例会で発表された。