円相場が162円台の円安 約39年半ぶり水準 日米金利差が主因
2026年7月7日 22:31
円相場の下落が続いている。ドル円は2026年7月1日の午後、一時1ドル=162円84銭をつけ、約39年半ぶりのドル高・円安水準に達した。7月に入っても162円台での推移が続き、7日時点でも円は弱含んでいる。
1ドル=162円台という円の安さは約39年半ぶりで、1980年代後半以来の水準にあたる。それだけ、いまの円安は歴史的な局面といえる。
円安の主因は、日本とアメリカの金利差の拡大だ。米国では2022年からのインフレ対策で利上げが進み、長期金利は4パーセント台で推移する。一方、日本銀行は2024年3月にマイナス金利政策を解除したものの、なお低い金利水準を保つ。市場では米国の利上げ観測が根強く、日本政府が日銀の追加利上げをけん制しているとの見方もあって、金利差が縮まりにくいとの思惑がドル買い・円売りを促している。
急速な円安に対し、市場の関心は財務省が為替介入に踏み切るかどうかに集まる。過去には巨額の円買い介入が行われたが、金利差という根本の要因が変わらないなかでは、介入で相場の流れを反転させるのは難しいとされる。それでも、急激な変動を放置すれば家計や企業の見通しを損なうため、政府は相場に神経をとがらせている。日銀にとっても、利上げを急げば住宅ローンや企業の借入負担が増し、低金利を続ければ円安と物価高が家計を圧迫するという難しい選択が続く。
直ちに為替介入が行われても、それほど違和感はありません
三井住友DSアセットマネジメント(市川雅浩「ドル円は162円台に~ドル高・円安はどこまで進むか」)
もっとも、市場の分析では、この時点で財務省から為替介入に関する踏み込んだ発言はみられていないとの指摘もある。実際に介入が行われたかどうかは、財務省が公表する「外国為替平衡操作の実施状況」で確認できる。政府と日銀の姿勢が、今後の相場を左右する。
円安は、自動車などの輸出企業の採算を改善し、海外からの旅行者には日本での消費が割安になる。一方で、原油や天然ガス、食料など輸入に頼る品目の価格を押し上げ、家計や中小企業の負担を重くする。物価高が続くなかでの一段の円安は、暮らしへの逆風となりやすく、政府にとっても悩ましい。
焦点は、日銀が追加利上げに動くのか、米国の金利がいつ低下に向かうのかだ。金利差が縮まらない限り、円安圧力は残りやすい。次回の日銀の金融政策決定会合や、米国の金融政策の行方が、当面の相場を大きく動かすとみられる。