日銀、7月末会合は政策金利1%を維持へ 追加利上げ時期は夏の物価次第
2026年7月10日 20:39
日本銀行は7月30〜31日に金融政策決定会合を開く。市場では、6月に引き上げたばかりの政策金利1.0%を据え置くとの見方が大勢だ。同時に公表する「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」の内容と、次の利上げに向けたメッセージが焦点となる。
日銀は6月15〜16日の会合で、無担保コール翌日物金利の誘導目標を0.75%程度から1.0%程度へ0.25%引き上げた。1%台の政策金利は1995年以来、約31年ぶりの高水準となる。採決は賛成7・反対1で、浅田統一郎審議委員が据え置きを求めて反対した。あわせて国債買い入れの中間評価を行い、来年4月以降は減額を停止して月2兆円程度の買い入れを続ける方針も決めた。
7月の展望レポートでは、2026年度の成長率見通しが上方修正される可能性がある。報道によれば、日銀はAI関連需要の強さと燃料コストの低下を反映し、4月時点で0.5%としていた成長見通しを小幅に引き上げる公算だ。一方で、物価の上振れリスクへの警戒は崩していない。
日銀は、AI需要の堅調さと燃料コストの低下を反映し、4月時点で0.5%拡大と予測していた経済成長見通しをわずかに上方修正する可能性がある。一方、インフレ上振れリスクへの注目は維持される見通しだ。
Investing.com(ロイター)
追加利上げの時期は、なお見通しにくい。市場が織り込む10月会合までの利上げ確率は6割程度に高まっている。エコノミストを対象とした6月の調査でも、年内の追加利上げを見込む声が約9割に達し、最多は12月、次いで10月だった(The Japan Times)。判断のカギを握るのは夏の物価で、7月分の消費者物価指数は8月21日、8月分は9月18日に公表され、いずれも9月・10月の会合を前に出そろう。
中立金利へ、数か月に一度
日銀内では、政策金利を景気に中立な水準(中立金利)へ向けて段階的に引き上げていく、という考えが共有されつつある。6月会合の「主な意見」には、中立金利を2%程度とみて、そこへ向けて数か月に一度のペースで調整していくべきだ、との意見が記された。
急激・大幅な利上げを避けるには、政策金利を中立金利に早めに近づけるべきである。中立金利は2%程度と考えられ、これを念頭に数か月に一度のペースで、経済・物価・金融情勢を確認しつつ、都度、検討していくことが望ましい。
日本銀行(金融政策決定会合における主な意見、2026年6月15・16日開催分)
円安と物価の綱引き
もっとも、利上げを急ぐ理由と急がない理由が同居している。1ドル=162円前後の円安は輸入物価を押し上げ、物価の上振れを通じて早期の利上げを促す。半面、原油高や中東情勢を起点とする交易条件の悪化は、成長の下押し要因として慎重論の根拠になる。7月31日の植田和男総裁の記者会見で、この綱引きをどう整理し、次の一手をどう示唆するかが注目される。