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sin を 4 回積分するともとに戻る(三角関数の積分公式で符号がどう回るか)

です。両辺の符号をひっくり返すと になり、 の原始関数が だと分かります。

積分の公式は、微分の公式を裏返した形です。中身は微分の側にそろっている。

分かれ目は符号の位置になります。 を積分すると がつき、 を積分するとつかない。どちらに符号が寄るかで、4 つの公式が並びます。

4 つの基本形

数学 III で使う三角関数の不定積分は次の 4 つが重要です。 は積分定数。

右の列を微分すれば左の中身に戻ります。

符号は 4 回で 1 周する

を積分し続けると、4 回目でもとに戻ります。

sin x

-cos x

-sin x

cos x

もう 1 回積分すると に戻る。 から始めても同じ長さで 1 周します。

cos x

sin x

-cos x

-sin x

微分は逆回りです。 を微分すると 、もう一度で 。積分と微分で、同じ環を反対向きに動いています。

例 1: の積分

と書き直します。分子の は、分母の を微分して符号を変えたもの。

は正にも負にもなるため、絶対値をつけたまま残します。

のように と分かっている範囲でだけ、 と書ける。

例 2: の積分

こちらは で、分子が分母の微分そのものです。

のときと違って がつきません。 を微分すると符号が変わり、 を微分しても変わらないためです。

中が 1 次式のとき

を微分すると、合成関数の微分で が前に出ます。積分ではその逆に がつく。

でも でも同じで、中が 1 次式なら を前に置くだけです。

例 3: と

微分して確かめます。 で、もとに戻りました。

中が のような 2 次式だと、この手は通りません。 は高校で扱う関数では書けない積分です。

面積として読む

は、 の山と 軸ではさまれた部分の面積です。

高さが 、横が の山の面積が、ちょうど 。長方形 の 6 割ほどにあたります。

例 4:1 周ぶんの定積分

前半の山と後半の谷が同じ大きさで、符号だけが逆。足すと消えます。

でも同じで、。1 周ぶんの積分は、 も も になる。

例 5: の定積分

上端を に近づけると がいくらでも大きくなり、値が決まりません。 が になる点をまたぐ積分は、そのままでは計算できない。

例 6: の定積分

です。 から の範囲で だから、絶対値はそのまま外せます。

例 7: の定積分

そのものは定まりません。逆数の のほうは に近づくため、端の値が決まります。例 5 と同じ点でも、式の形しだいで結果が分かれる。

微分して確かめる

答えを微分してもとの式に戻るかどうかは、その場で見られます。

なら、。戻りました。

符号を逆に書いていた場合は となり、 に戻りません。1 行で判定できます。

の を落とした なら、微分すると になって係数が合わない。 の積分を と書いた場合も、微分すれば別の式になります。

答えを微分する

もとの被積分関数と見比べる

合わなければ符号か 1/a を疑う

の値はどれですか。

__RESULT__

だから、 です。 を選ぶと を忘れたうえ、上端の を ととり違えた形になります。

はどれですか。

__RESULT__

だから、符号を戻して です。 は の積分、 は の積分になります。

微分の公式を裏返し、 がつくのは がらみの 2 つだと押さえる。中に 1 次式が入ったら を前に置き、最後は微分して見比べます。

$(\cos x)' = -\sin x$ を裏返せば $\displaystyle\int\sin x\,dx = -\cos x + C$。積分の公式は微分の公式の裏返しで、分かれ目は符号の位置だけです。$-$ がつくのは $\sin$ と $\dfrac{1}{\sin^2 x}$ の 2 つ。$\sin$ を積分し続けると $-\cos$、$-\sin$、$\cos$ と回り、4 回でもとに戻ります。中が $ax + b$ なら $\dfrac{1}{a}$ が前につく。$\tan x$ が $-\log|\cos x|$、$\dfrac{1}{\tan x}$ が $\log|\sin x|$ と符号で分かれる理由、$\displaystyle\int_0^{2\pi}\sin x\,dx$ が $0$ になる読み方、答えを微分して確かめる手まで入れました。