導関数が0でも極値とは限らない?極大値と極小値の求め方
のグラフには山と谷が 1 つずつあります。山の頂上が 、谷の底が です。
山の高さ を極大値、谷の深さ を極小値といいます。2 つをまとめて極値と呼ぶ[1]。
どちらも になる点で起きますが、 だからといって極値になるとは限りません。
極値は近所での話
極大値は、その点の近くだけを見たときにいちばん高い値です。グラフ全体でいちばん高い値ではありません[2]。
が極大値ですが、 のほうがずっと大きい。それでも は極大値です。
のまわりだけに目を向ければ、そこがてっぺんになっている。極値の「極」は、狭い範囲での話だという印です。
その点の近くだけで最大。まわりを見わたすともっと高い場所がありうる
定義域の全体で最大。3 次関数には存在しないことが多い
3 次関数は を大きくすればいくらでも大きくなるので、最大値がありません。それでも極大値はあります。
広い範囲では右のほうが高く見えますが、狭めていくとこの点がてっぺんになります。極大の意味はこの狭さにあります。
求める手順
極値を出す流れは 3 段です。
導関数を求める
を解く
解の前後で符号が変わるか調べる
3 段目が要ります。 だけでは、そこが極値だと言えないためです[3]。
符号が正から負へ変われば極大、負から正へ変われば極小。変わらなければ極値ではありません。
例:
導関数を因数分解します。
の解は と です。増減表を作ります。
で正から負へ変わるので極大、 で負から正へ変わるので極小です。
極大値は 、極小値は になります。
でも極値でない場合
の導関数は で、 で になります。
ところが は の前後どちらでも正です。符号が変わらないので、極値になりません。
も同じです。 が で になりますが、前後とも正。
は極値であるための条件のうち、欠かせないほうだけを表す。
足りているかどうかは、前後の符号を見ないと決まらない。 の原点がその例になる。
こういう点を停留点といいます。極大でも極小でもない停留点があるので、符号の確認を飛ばせません[4]。

真ん中の点で接線が水平になるのは 3 つとも同じです。違うのは、その前後で向きが変わるかどうか。
極値をもつ条件
3 次関数が極値をもつのは、導関数が異なる 2 つの解をもつときです。
で調べます。導関数は です。
2 次方程式が異なる 2 解をもつ条件は判別式が正になること。
または です。 のときは山も谷もできません。
のときは となり、 で になるだけで符号は変わりません。
例:極値から係数を決める
が で極大値 をとるとします。 と を出します。
条件は 2 つです。 と 。
なので 。
から です。
2 つを連立すると 、。 になります。
の前後で正から負へ変わるので、確かに極大です。 も合っています。
最後の確認を飛ばすと、極小になっている場合を見落とします。連立を解いただけでは向きが決まりません。
が と のあいだにいるとき、緑の点が消えます。山も谷もない 3 次関数になっている。
極値と最大値を混ぜない
区間が指定されていない 3 次関数には最大値も最小値もありません。極値はあります。
区間が のように区切られると話が変わります。区間の端の値も候補に入るためです。
を で考えると、極小値 が最小値になります。
最大値は端で決まります。、 なので、最大値は 。
の極大値はいくつですか。
停留点の見分けも確かめます。
である関数について、 はどれにあたりますか。
- 極大値をとる点
- 極小値をとる点
- 極値をとらない点
は で になりますが、前後どちらでも正です。符号が変わらないので、そこで増減の向きは入れかわりません。接線が水平になるだけの点になります。
を解くところまでは候補さがしです。極値かどうかは、その前後の符号が決めます。

















f′(x)=6x2−6x−12=6(x+1)(x−2) なので、解は x=−1 と x=2。x=−1 で正から負へ変わるので極大で、f(−1)=−2−3+12+1=8 です。−19 は x=2 での極小値、1 は y 切片にあたります。