有限生成の群について

群とは、集合 と二項演算 があり、次の三つの条件を満たすものです。

任意の に対して (結合律)
単位元 が存在して、すべての に対して
任意の に対して逆元 が存在して、

有限生成とは

の部分集合 があって、 の任意の元が の元とその逆元を有限回の積で表せるとき、有限生成群(finitely generated group)といいます。

すなわち

であるとき、 は有限生成群。

はそのときの生成系(generating set)と呼ばれます。最小の生成系の大きさを 生成元の個数 といいます。

整数全体の加法群

1 つの元 からすべての整数が の加法的な反復で得られるため、 です。したがって有限生成。

有理数加法群

有限個の元からすべての有理数を作ることはできません。したがって有限生成ではありません。

性質

有限生成群には次のような重要な特徴があります。

有限生成アーベル群は「有限個の巡回群の直積」として表される(有限生成アーベル群の基本定理)
有限生成群は Cayley グラフを用いて幾何的に表せる
有限生成でない群はしばしば「無限次元的」な構造をもつ

有限生成群の概念は、代数幾何学やトポロジーでも現れます。たとえば、コンパクトなトポロジー群の基本群は有限生成であることが多く、空間の「形の有限性」を表しています。