Mayer-Vietoris完全列は、空間を2つの部分空間に分解してホモロジーを計算するための強力な道具です。van Kampenの定理のホモロジー版といえます。
定理の主張
とし、 が の開集合(または がすべて変形レトラクトを持つ)とします。このとき長完全列
が存在します。
写像の定義
は です。, は包含写像。
は です。, は包含写像。
完全列の使い方
完全列から、隣り合う3項の関係が得られます。
ならば は単射
より、
より、境界写像の核が の像
球面のホモロジー計算
を上半球 (南極を除く)と下半球 (北極を除く)に分けます。
, , です。
Mayer-Vietoris列の一部は
()なので、 が得られます。
帰納法により となります。
トーラスのホモロジー計算
を円環 (縦に切った帯)と円環 (横に切った帯)で覆います。, です。
の部分の完全列
を解析すると が得られます。
被約ホモロジー版
被約ホモロジー を用いると、 の扱いが簡潔になります。
連結成分の数を気にせず計算できます。
懸垂のホモロジー
懸垂 は の次元を1つ上げる操作です。Mayer-Vietoris列から
が示せます。 なので、 です。
楔和のホモロジー
に対して、, , として Mayer-Vietoris を適用すると
が得られます。
相対版 Mayer-Vietoris
相対ホモロジーに対しても Mayer-Vietoris 列が存在し、より複雑な空間の計算に利用できます。
Mayer-Vietoris
空間を2つの開集合で覆う。ホモロジー計算の基本ツール。帰納的計算に有効。
相対ホモロジーの長完全列
部分空間 を考える。対 のホモロジーと , のホモロジーを結ぶ。