高校倫理1440914 views
高校日本史190639 views
英語614322 views
LaTeX962713 views
高校国語788606 views
雑学1473717 views
中学英語812035 views
中学社会669002 views
ヒストリア291310 views
MathPython498072 views
Help
Tools
NewsSpreadsheetCalendarBookkeepingMarkdown TablesLanguage Model NewsLinux CommandsSlidesTier ListPen ToolIllustrationCrayonWatercolorPixel ArtASCII ArtPerspectiveEndless StairsGraphMind MapER DiagramFamily TreeMemeCurved TextImage EditorMosaicRetro FilterPencil SketchSwirl EffectLine ArtOCR/HighlighterMakeup EditorFaviconVideo TrimmerScrolling VideoVideo TitleColor PickerColor ExtractorBonfireFireworksCherry BlossomWater RippleWater SplashBreaking GlassGlass TextureFabric TextureWood GrainMarble TextureBrick Wall TextureMetal TextureWashi Paper TextureCardboard TextureCSS ButtonIcon MakerBar ChartGrouped Bar ChartStacked Bar ChartPie ChartLine ChartArea ChartStacked Area ChartScatter Plot3D Bar Chart3D Pie ChartBar Chart RaceBubble ChartPopulation PyramidPictogramEarningsCandlestick ChartInvestment RiskMortgage SimulatorCalculatorMatrix CalculatorFunction GraphPolynomial ExpansionVenn DiagramField VisualizerRubik's Cube Group TheoryTraveling SalesmanVoronoi and DelaunayFractalUniversity Entrance Exam MathColumn ArithmeticDraw Math FiguresArithmetic AnimationArithmetic Word ProblemsCounting with Tree DiagramsCube NetsRolling DiceCross SectionsMotion PathMechanicsWavesUniversity Entrance Exam Physics解析力学Quantum MechanicsStatistical MechanicsRelativityCelestial MechanicsAstrophysicsCosmologyElectromagnetic WavesCapacitorsLight and LensesThermodynamicsHow Semiconductors WorkMolecular StructuresAtomic OrbitalsElectrochemical CellsChemical EquilibriumCrystal LatticesBuffer pHOrganic Reaction MapPeriodic TableComplex IonsDNA Double HelixCell DivisionMembrane ChannelsNerve ImpulseMuscle ContractionHormones and HomeostasisRock ClassificationWeatherConstellationsSolar and Lunar Eclipses3D ModelingFloor PlanSeismic StructuresIntersection TurnMaglevCooking AnimationOrigamiLive Viewer CountGeoJSON MapRailway MapPopulation MapCrime MapLand Price MapSchool MapShrine and Castle MapHouse of Representatives MapWord MapSolitaireReversiHakoiri MusumeChessHamburgerRippleSlide Puzzle MakerNeon PinballNovel MakerJapanese Typing PracticePiano Score EditorMusic TheoryShogi StrategyPiano Rhythm Game

English

カップ積とコホモロジー環 - 群では見えない差を「積」が拾う

コホモロジー群だけを並べても、区別できない空間の組があります。次数ごとの群がすべて一致してしまう。

積を入れると区別が付きます。カップ積が与えるこの積構造が、コホモロジーをホモロジーより強い道具にしている[1]

以下では余鎖のレベルでの定義から始め、環としての性質を確かめ、射影空間やトーラスの環を計算し、キャップ積とポアンカレ双対性までつなぎます。

余鎖のレベルでの定義

余鎖 余鎖 から、 余鎖を作ります。 単体 の頂点を順に とし

と定めます[1]。前の面を に、後ろの面を に渡して掛ける。

が両方に入っているところが要点です。前半と後半が 1 点で継がれている。

余境界との関係

積の余境界は、ライプニッツ則の形になります。

が成り立ちます[1]。符号は前に来る余鎖の次数で決まる。

この式から、余輪体どうしの積は余輪体、片方が余境界なら積も余境界と分かります。だからコホモロジーに積が降りる。

前半と後半に切る

切る位置が次数で決まる様子を描きます。

黒い頂点が継ぎ目です。前半と後半が 1 点だけを共有する。

次数の組が変わると切る場所も動きます。同じ単体から、いろいろな次数の積が作れる。

環になる

すべての次数を集めると

が次数付き環になります[5]。単位元は

結合的で、分配法則が成り立ちます。余鎖のレベルで結合的なので、そのまま降りる。

次数付き可換

余鎖のレベルでは可換になりません。コホモロジーへ落ちたところで

が成り立ちます[1]。奇数次どうしだけが反可換。

奇数次の元は 2 乗すると となり、。係数が でなければ に近いことが言えます。

自然性

連続写像 に対して が成り立ちます[1]

したがって は環準同型です。空間の写像が、環の写像へそのまま翻訳される。

環として同型でない空間のあいだには、良い写像が作れないと分かります。障害を出す使い方。

例:球面のコホモロジー環

では 、ほかは です。

生成元 について なので

環としては です。積の情報がほとんどありません。

例:トーラスのコホモロジー環

では です。

次の生成元を とすると、 の生成元になります。

外積代数 と同型です[5]。微分形式の に対応する構造。

例: と比べる

くさび和 のコホモロジー群は、 とまったく同じです。

環としては違います。くさび和では になる。異なる成分から来た類の積が消えるため。

群では区別できず、環では区別できる。カップ積が持ち込んだ情報がここに出ています[1]

コホモロジー群だけ

が同じに見えます。次数ごとの群がそろっている。

環として見る

では 、くさび和では 。積が違うので別の空間だと分かります。

例:複素射影空間

の環は、次数 の生成元 による切断多項式環です[4]

の生成元になります。 で止まる。

奇数次はすべて です。 次元の胞体が 1 つずつ並ぶ CW 構造から出る。

例:実射影空間

係数では、次数 の生成元による切断多項式環になります[3]

各次元に胞体が 1 つずつあるので、各次数に が 1 つ。

係数では捩れが入り、形がずっと複雑になります。 係数で見るときれいになる典型例。

空間環の形生成元の次数
S^nZ[x]/(x^2)n
CP^nZ[t]/(t^{n+1})2
RP^nZ/2[w]/(w^{n+1})1

左では ひとつから全部が出ます。右では の 2 つが要る。

群の並びは同じでも、生成のされ方が違います。環として見て初めて差が出る。

例:

どちらもコホモロジー群は 次に が 1 つずつです。群としては同型。

では です。 次の生成元を 3 乗まで持ち上げられる。

では 次の生成元 について の生成元の 2 乗が に落ちるため。

したがって環としては同型でなく、2 つは異なる空間です。

交わりの有無を絵で見る

トーラスとくさび和で、生成元にあたる円がどう置かれているかを比べます。

canvas: 置き場が受け取りませんでした

左では 2 本の円が横切り合います。右では基点で触れているだけで、横切っていない。

この差が の値に出ます。交わる相手がなければ積が消える。

例:交叉数として読む

閉じた向き付け可能多様体では、双対な部分多様体の交叉数がカップ積の値になります。

トーラスの は交叉数 です。だから の生成元。

向きを入れ替えると符号が変わります。 が、交叉の向きの反転に対応する[1]

積空間の環

キュネットの定理から、体係数では積のコホモロジーがテンソル積になります[6]

環としてもテンソル積の環構造が入ります。 の外積代数は、この形の帰結。

整数係数では の項が付きます。捩れがあるとずれる[6]

次の元 について、整数係数のとき はどうなるか。

  • つねに に等しい
  • となり、捩れがなければ
  • つねに の生成元になる
  • 定義できない
__RESULT__

次数付き可換性から です。したがって で、 が捩れを持たなければ

キャップ積

コホモロジーとホモロジーのあいだにも積が定まります。

と定めます[2]。前半を評価して、後半を残す。

カップ積とは で結ばれます。ホモロジーがコホモロジー環上の加群になる。

ポアンカレ双対性との関係

を閉じた向き付け可能 多様体とし、基本類 をとります。

が同型になります[2]。これがポアンカレ双対性。

キャップ積が、この同型を具体的に書き下す道具になっています。

交叉形式

次元の閉多様体で、中央次元のカップ積を考えます。

が対称双線型形式を定めます[5]。交叉形式。

次元では、単連結な微分可能多様体がこの形式でほぼ分類されます。カップ積が分類の道具そのものになる場面。

幾何的な読み方

双対性を通すと、カップ積は部分多様体の交わりに対応します。

の双対が部分多様体 なら、 の双対が 。次数が足されることと、余次元が足されることが対応します[1]

トーラスで なのは、2 本の生成する円が 1 点で交わるためです。くさび和では交わる相手がない。

よくある誤り

余鎖のレベルで可換だと思う。可換になるのはコホモロジーへ落ちてからです
符号を落として と書く。 が付きます
群が同型なら環も同型だと思う。 とくさび和が反例です
の環を 係数で覚える。きれいになるのは 係数です
キャップ積の次数を足し算だと思う。 に下がります
が環準同型でないと思う。自然性から準同型になります
キュネットの定理を整数係数でそのまま使う。 の項が付きます

参考文献

Cup product
Cap product
Real projective space
Complex projective space
Cup-Produkt
Künneth theorem
トーラスと $S^1 \vee S^1 \vee S^2$ は、コホモロジー群が次数ごとに完全に一致します。それでも別の空間だと分かるのはカップ積があるため。単体の前半と後半に切って評価する、という定義から次数付き可換性が出て、すべての次数を集めた環ができます。$\mathbb{CP}^n$ は次数 $2$ の生成元 1 つの切断多項式環、$\mathbb{RP}^n$ は $\mathbb{Z}/2$ 係数で次数 $1$ の 1 つ。双対を通せば、積は部分多様体の交わりに対応します。