Brouwerの不動点定理は、円板からそれ自身への連続写像が必ず不動点を持つことを主張します。ホモロジーを用いた証明が有名で、経済学や微分方程式など広く応用されます。
定理の主張
を 次元閉球体(円板)とする。任意の連続写像 に対して、 を満たす点 (不動点)が存在する。
レトラクトが存在しないこと
まず、 が のレトラクトでないことを示します。
レトラクション が存在すると仮定します。包含 との合成は を満たします。
ホモロジーを取ると、 です。, なので、
となり、 で矛盾します。
不動点定理の証明
が不動点を持たないと仮定します。各 に対して なので、 から を通る半直線が と交わる点を とします。
は連続であり、 ならば です( なので半直線は 方向に出る)。
これは がレトラクションであることを意味し、矛盾です。
の場合
の場合は中間値の定理から従います。
とおくと、, です。中間値の定理から 、すなわち となる が存在します。
の場合
(円板)から円板への連続写像は不動点を持ちます。
コーヒーをかき混ぜると、少なくとも1点は元の位置に戻ります。
一般化:凸コンパクト集合
より一般に、 の空でないコンパクト凸集合から自身への連続写像は不動点を持ちます(Brouwer-Schauderの定理)。
応用:ゲーム理論
ナッシュ均衡の存在証明に Brouwer の不動点定理(または Kakutani の不動点定理)が使われます。
各プレイヤーの最適反応を組み合わせた写像の不動点がナッシュ均衡に対応します。
応用:微分方程式
常微分方程式の周期解の存在証明にも使われます。Poincaré写像の不動点が周期解に対応します。
Lefschetz不動点定理
Lefschetz不動点定理は Brouwer の定理を一般化します。
ならば は不動点を持ちます。 上の恒等写像では です。
円板から円板への連続写像は不動点を持つ。ホモロジーで証明。
Lefschetz数が非零なら不動点存在。Brouwerの定理を一般化。写像の「代数的不動点数」を計算。