Borsuk-Ulamの定理は球面から同次元ユークリッド空間への連続写像について、対蹠点で同じ値を取る点が存在することを主張します。
定理の主張
任意の連続写像 に対して、 を満たす点 が存在する。
対蹠点 と で同じ値を取る点が必ずあるという定理です。
の場合
を連続写像とします。 を定義すると、 です。
は奇関数なので、 を一周する間に は正から負(または負から正)に変化します。中間値の定理から となる が存在し、 です。
の場合の解釈
を連続写像とすると、 となる が存在します。
地球の正反対の2点で、気温と気圧がともに等しい点が存在します。
ホモロジーによる証明
が全ての で成り立つと仮定します。
は連続写像 を定め、 を満たします。
このような奇写像 は存在しないことが、コホモロジーを用いて示せます。これは 係数コホモロジーと射影空間の性質を使います。
対蹠的写像の非存在
より強く、奇連続写像 ()は存在しません。
これは が商写像 を誘導し、 の性質と矛盾することから従います。
同値な形式
Borsuk-Ulamの定理は次の形式とも同値です。
Lyusternik-Shnirelmanの定理
を 個の開集合または閉集合で覆うとき、少なくとも1つは対蹠点の対を含みます。これは Borsuk-Ulam の帰結です。
応用:公平分割問題
Borsuk-Ulamの定理は公平分割問題に応用されます。 人で 個のケーキを分けるとき、全員が公平と感じる分け方が存在する(ただし評価関数が連続という仮定の下で)。
離散版
Tucker の補題は Borsuk-Ulam の組み合わせ的な離散版で、計算機科学での応用があります。
一般化
同変位相幾何学では、群作用を持つ空間への写像について、Borsuk-Ulam 型の定理が研究されています。
の連続写像は不動点を持つ。レトラクトの非存在から証明。
の連続写像は対蹠点で同値を持つ。対蹠的写像の非存在から証明。