ハム・サンドイッチ定理

ハム・サンドイッチ定理はBorsuk-Ulamの定理の応用として有名な結果です。 個の対象を1つの超平面で同時に二等分できることを主張します。

定理の主張

内の 個の有界可測集合 (それぞれ正の測度を持つ)に対して、すべてを同時に二等分する超平面が存在する。

二等分とは、超平面の両側に各集合の測度の半分ずつが含まれることです。

の場合(ハム・サンドイッチ)

で3つの対象(パン2枚とハム1枚)を1つの平面で同時に二等分できます。

サンドイッチを1回の直線的な切断で、パン・ハム・パンをすべて公平に分けられるという意味で、この定理は「ハム・サンドイッチ定理」と呼ばれます。

の場合

平面上の2つの有界可測集合を、1本の直線で同時に二等分できます。

ピザとフライドポテトを1本の直線で同時に半分ずつに分けられます。

Borsuk-Ulamからの証明

超平面は法線ベクトル と原点からの距離 で指定できます。

を、 で定義します。 は、法線 の超平面で を二等分するときの距離パラメータです。

は連続で、 です(法線を逆にすると距離の符号が変わる)。

したがって を考えると、Borsuk-Ulamの定理から となる が存在します。

この に対して となり、すべての集合を同時に二等分する超平面が存在します。

離散版

個の有限点集合に対しても、各集合を(ほぼ)二等分する超平面が存在します。点が超平面上にないとき、両側の点数の差は高々1です。

一般化:質量の等分割

より一般に、 上の 個の絶対連続測度を同時に二等分する超平面が存在します。

Stone-Tukey定理

個の測度を 等分するには、 個の平行な超平面が必要です。Stone-Tukey定理はこの一般化を与えます。

応用:公平分割

ハム・サンドイッチ定理は公平分割問題の数学的基礎となります。

2人で複数の財を分けるときの公平な切り方
連続的な対象(土地、資源など)の分割問題
アルゴリズム設計(効率的に二等分線を見つける)

計算複雑性

2次元の場合、2つの凸多角形を二等分する直線は 時間で計算できます。一般の次元では問題は複雑になります。

関連する結果

パンケーキ定理: の2つの有界集合を1本の直線で二等分できる( の場合)。

ハム・サンドイッチ定理

個の集合を1つの超平面で同時に二等分。Borsuk-Ulamの応用。

公平分割問題

複数人で複数の対象を公平に分ける。羨望のない分割、Pareto効率性などの概念。組み合わせ論とトポロジーの接点。