特性類入門(Stiefel-Whitney類、Chern類)

特性類はベクトル束や主束の「ねじれ」を測るコホモロジー類です。Stiefel-Whitney類とChern類は最も基本的な特性類であり、多様体やベクトル束の分類に使われます。

特性類の基本的考え方

ベクトル束 に対して、 の位相的な性質を底空間 のコホモロジー類として表現したものが特性類です。

特性類は束の「ねじれ」や「障害」を検出します。自明束の特性類は自明です。

Stiefel-Whitney類

実ベクトル束 に対して、Stiefel-Whitney類 が定義されます。

Whitney乗法公式:
自然性:束の引き戻しで特性類も引き戻される

と向き付け可能性

であることと、 が向き付け可能であることは同値です。

多様体 の接束 に対して、 が向き付け可能。

Stiefel-Whitneyの例

メビウスの帯( 上の1次元ベクトル束)は であり、向き付け不可能です。

の接束は の生成元)です。

Chern類

複素ベクトル束 に対して、Chern類 が定義されます。

Whitney乗法公式:
自然性

第一Chern類

は複素直線束を完全に分類します。 の元として、直線束と1対1に対応します。

は「磁束」や「位相電荷」と解釈でき、物理学で重要です。

Chern類の例

の標準的直線束 の生成元)です。

の接束は です。

Pontryagin類

実ベクトル束 に対して、複素化 のChern類から Pontryagin類 が定義されます。

Euler類

向き付け可能な実 次元ベクトル束 に対して、Euler類 が定義されます。

は、 が零でない切断を持つための必要条件です。(Poincaré双対で)。

特性類の応用

特性類は多くの問題に応用されます。

多様体への浸入・埋め込みの障害
ベクトル場の零点の数(Poincaré-Hopf)
複素構造の存在問題
指数定理(Atiyah-Singer)
Stiefel-Whitney類

実ベクトル束。 係数。向き付け可能性を検出。

Chern類

複素ベクトル束。整数係数。複素幾何学の基本ツール。Euler類はChern類の実版。