CW複体とその構成

CW複体は胞体(cell)を順次貼り付けて構成される空間で、代数的位相幾何学の基本的な対象です。多くの位相空間はCW複体とホモトピー同値です。

CW複体の定義

CW複体は次のように帰納的に構成されます。

:離散点の集合(0-骨格)
-胞体を貼り付けて得られる(-骨格)
に弱位相(各 からの包含が連続となる最も細かい位相)を入れる

-胞体の貼り付けは、 の境界 に連続写像で送る操作です。

胞体の貼り付け

-胞体 を貼り付けるには、貼り付け写像 を指定します。

CW複体の例

球面 は最小で2つの胞体で構成できます。1つの0-胞体と1つの -胞体です。 の境界を一点に潰す貼り付けで が得られます。

トーラス は1つの0-胞体、2つの1-胞体、1つの2-胞体で構成できます。

実射影空間のCW構造

は各次元に1つずつ胞体を持ちます。

-胞体を、(2重被覆)で貼り付けます。

複素射影空間のCW構造

は偶数次元の胞体のみを持ちます。

に貼り付けられます。

胞体ホモロジー

CW複体のホモロジーは胞体構造から直接計算できます。

-胞体を基底とする自由アーベル群 と、境界作用素 を定義し、 を計算します。

胞体ホモロジーは特異ホモロジーと同型です。

CW複体の性質

CW複体は良い位相的性質を持ちます。

局所コンパクト(有限次元の場合)
パラコンパクト
ハウスドルフ
弱ホモトピー同値がホモトピー同値と一致(Whiteheadの定理)

CW近似

任意の位相空間 に対して、CW複体 と弱ホモトピー同値 が存在します(CW近似)。

したがって、ホモトピー論ではCW複体に制限して考えることが多いです。

有限CW複体

有限個の胞体からなるCW複体を有限CW複体といいます。有限CW複体はコンパクトであり、Euler標数が定義されます。

単体複体

三角形分割。組み合わせ的に扱いやすい。胞体の貼り付けが単体に制限。

CW複体

より自由な胞体の貼り付け。少ない胞体で空間を記述可能。ホモトピー論の標準的対象。