Whiteheadの定理

Whiteheadの定理は、CW複体の間の弱ホモトピー同値がホモトピー同値であることを主張します。ホモトピー論においてCW複体が重要である理由の一つです。

弱ホモトピー同値の定義

連続写像 が弱ホモトピー同値(weak homotopy equivalence)であるとは、すべての

が同型となることです。

定理の主張

をCW複体の間の連続写像とする。 が弱ホモトピー同値ならば、 はホモトピー同値である。

すなわち、, を満たすものが存在します。

一般の空間では成り立たない

一般の位相空間では、弱ホモトピー同値がホモトピー同値とは限りません。

Whiteheadの定理はCW複体(または同等の性質を持つ空間)に特有の結果です。

反例

Warsaw circle(ワルシャワ円)と呼ばれる空間は、すべてのホモトピー群が と同型ですが、 とはホモトピー同値ではありません。

Warsaw circle は位相幾何学者の正弦曲線に端点を追加して円にしたもので、CW複体ではありません。

証明の概略

CW複体の構造を用いて、胞体ごとにホモトピー逆写像を構成します。

で全射かつ単射なら、 の各胞体に対して への写像を延長できます。帰納的に逆写像を構成し、ホモトピーを作ります。

CW近似との関係

任意の空間 に対して、CW複体 と弱ホモトピー同値 が存在します。

したがって、ホモトピー論的には任意の空間はCW複体で「代表」できます。

ホモトピー圏

CW複体をオブジェクト、ホモトピー類を射とする圏をホモトピー圏といいます。

Whiteheadの定理は、この圏で弱同値が同型であることを意味します。

相対版

相対版Whiteheadの定理もあります。, がCW対で、 がすべての相対ホモトピー群で同型を誘導するならば、 は相対ホモトピー同値です。

ホモロジー版

ホモロジー版Whiteheadの定理: が単連結CW複体の間の写像で、 がすべての で同型ならば、 はホモトピー同値です。

Hurewiczの定理と組み合わせて使います。

応用

Whiteheadの定理の応用例:

CW複体が同じホモトピー群を持てばホモトピー同値
空間の分類問題をホモトピー群の計算に帰着
ホモトピー論におけるCW複体の中心的役割の正当化
弱ホモトピー同値

がすべて同型。一般の空間では「ホモトピー同値より弱い」。

ホモトピー同値

ホモトピー逆写像が存在。CW複体では弱ホモトピー同値と一致。