軌道・安定化群定理は軌道の大きさと安定化群の位数を結びつける基本定理である。数え上げや群の構造解析に広く応用される。
軌道・安定化群定理
を有限群、 を -集合、 とする。このとき
が成り立つ。軌道の大きさは安定化群の指数に等しい。
定理の証明
写像 , が全単射であることを示す。
well-defined 性: ならば なので となる。
単射性: ならば なので 、よって となる。
全射性:定義から明らか。
軌道の大きさは位数を割る
は を割り切る。これは Lagrange の定理の帰結である。
軌道分解公式
が有限集合のとき、軌道代表元 を取ると
が成り立つ。
不動点の数え上げ
に対して を の不動点集合とする。
が成り立つ。両辺とも の元の個数を数えている。
Burnsideの補題
が に作用するとき、軌道の個数 は
で与えられる。不動点の平均が軌道の個数に等しい。
Burnsideの補題の証明
である。
軌道 上の点の安定化群は共役であり位数が等しいので、
となる。よって である。
応用:立方体の彩色
立方体の6面を 色で塗る方法は何通りか(回転で同じになるものは同一視)。
回転群は の部分群で位数24。各回転に対して不動点の数(その回転で不変な彩色の数)を数え、Burnside の補題を適用する。
応用:首飾りの数え上げ
個のビーズを円環状に並べて 色で塗る場合、回転で同一視した彩色数は
で与えられる。これは巡回群 の作用に Burnside の補題を適用した結果である。
応用:-群の中心
が -群(位数が )ならば、中心 である。
共役作用で (非自明な軌道の和)となる。非自明な軌道の大きさは の倍数なので、 となり である。