置換の符号と交代群

置換の符号は置換を偶置換と奇置換に分類する。交代群は偶置換全体からなる群であり、対称群の重要な正規部分群である。

互換

2つの元のみを交換する置換を互換(transposition)という。 を交換し、他の元は固定する。

任意の置換は互換の積として表せる。ただし表し方は一意ではない。

互換への分解

置換 を互換の積に分解するとき、必要な互換の個数の偶奇は分解の仕方によらない。これが符号の well-defined 性を保証する。

巡回置換 個の互換の積に分解される。

置換の符号

置換 の符号(sign) は次で定義される。

のとき を偶置換、 のとき を奇置換という。

符号の乗法性

は群準同型である。

符号の別定義

に対して、

と定義することもできる。この積は または の値を取る。

巡回置換の符号

-巡回置換の符号は である。

2-巡回(互換)は奇置換、3-巡回は偶置換、4-巡回は奇置換、などとなる。

交代群の定義

次交代群 は偶置換全体からなる群である。

の正規部分群であり、 である。

交代群の生成元

は3-巡回置換で生成される。

偶置換は互換の偶数個の積であり、 の場合)などの関係から3-巡回で表せる。

は位数3の巡回群である。

は位数12で、 を正規部分群として含む。 は位数6の部分群を持たない。

商群

である。

と任意の奇置換 による剰余類 に分かれる。

行列式との関係

行列式の定義 に符号が現れる。

置換行列 に対応する行の並べ替え)の行列式は である。