Galois 理論は群論と体論を結びつけ、代数方程式の可解性を群の可解性で特徴づける。5次以上の一般代数方程式がべき根で解けないことは、()が可解群でないことから従う。
代数方程式の可解性
多項式 がべき根で解ける(solvable by radicals)とは、 の根がすべて に有限回のべき根( 乗根)の添加で得られることをいう。
2次方程式の解の公式、3次・4次のカルダノ・フェラーリの公式はべき根による解法である。
Galois群
の分解体を とする。 上の自己同型で を保つものの全体を と書き、 の Galois 群という。
Galois 群は の根の置換として ()の部分群と見なせる。
Galois の基本定理
体の拡大 が Galois 拡大のとき、 の中間体と の部分群の間に反転する1対1対応が存在する。
が と の中間体 が の部分群。
が正規拡大 が正規部分群。
べき根拡大
で となるとき、 をべき根拡大という。
べき根拡大を有限回繰り返して得られる体をべき根体という。
べき根拡大とGalois群
が1の原始 乗根を含むとき、 の Galois 群は巡回群(位数は の約数)である。
したがってべき根の列による拡大の Galois 群は可解群となる。
Galoisの定理
がべき根で解ける の Galois 群が可解群。
べき根による解法が存在することと、Galois 群が「可換な群に分解できる」ことが同値となる。
一般5次方程式
を係数が独立変数の一般5次方程式とする。
の Galois 群は である。 は可解群でないので、一般5次方程式はべき根で解けない。
Abel-Ruffiniの定理
のとき、一般 次方程式はべき根で解けない。
の唯一の非自明正規部分群は であり、()は単純群で非可換なので、可解群にならない。
特殊な方程式は解ける
一般5次方程式は解けないが、特定の5次方程式は解けることがある。
の Galois 群は の部分群で位数20であり、可解群なので解ける。
証明の流れ
構成可能性との関係
定規とコンパスで構成可能な長さは、2のべき乗次拡大で得られる。これも Galois 理論の応用である。
角の三等分、立方体の倍積が不可能なのは、対応する最小多項式の次数が3で、2のべきでないことによる。