散在型単純群は有限単純群の分類において無限系列に属さない26個の「例外的な」群である。モンスター群を頂点とする階層構造を持ち、数論や物理学との意外な関係が知られている。
散在型単純群の一覧
散在型単純群は発見順・構造で分類される。
Mathieu群(5個):
Leech格子関連(7個):
モンスター関連(8個):
パライア群(6個):
Mathieu群
1861年にÉmile Mathieuが発見した最初の散在型単純群である。
は の置換群として実現され、位数は である。
は5重可移群(任意の5点を任意の5点に写せる)であり、Steiner系 の自己同型群として構成される。
Conway群
John Conwayが1968年にLeech格子の自己同型群から発見した。
24次元の Leech 格子 の自己同型群 は位数 を持つ。
が散在型単純群である。, は の部分群として得られる。
Fischer群
Bernd Fischerが3-転置群(位数3の元の積で任意の元が表せる群)を研究して発見した。
は の導来群であり、モンスター群の部分群として現れる。
モンスター群
最大の散在型単純群であり、位数は約 である。
1973年にBernd FischerとRobert Griessが独立に存在を予想し、1982年にGriessが196883次元の実ベクトル空間上の自己同型群として構成した。
ベビーモンスター
(ベビーモンスター)はモンスターに次いで大きい散在型単純群である。
位数は で、モンスターの部分群である。
パライア群
モンスター群の部分群として現れない散在型単純群をパライア群(pariah)という。6個ある。
(Jankoの第一群)、、、(O'Nan群)、(Lyons群)、(Rudvalis群)
Monstrous Moonshine
モンスター群の表現論とモジュラー関数の間に驚くべき関係がある。
モンスター群の既約表現の次元 と、楕円モジュラー関数 のフーリエ係数 が関係する。 など。
John ConwayとSimon Nortonが予想し、Richard Borcherdがモンスター・リー代数を用いて証明した(1992年、フィールズ賞受賞)。
物理学との関係
散在型単純群は弦理論や頂点作用素代数と関係する。
モンスター群は26次元のボゾン弦理論と関わり、moonshine予想は共形場理論の文脈で理解される。