ルベーグ測度は、 上で長さ・面積・体積の概念を一般化した測度である。リーマン積分では扱えなかった関数の積分を可能にし、現代解析学の基盤となっている。
1 次元ルベーグ測度の構成
上のルベーグ測度は、外測度を経由して構成される。
まず、任意の に対してルベーグ外測度 を
と定める。これは を開区間で覆い、その長さの総和の下限をとったものである。
カラテオドリの定理により、-可測集合全体 は σ 加法族をなし、 の への制限がルベーグ測度 である。 の元をルベーグ可測集合という。
区間の測度
ルベーグ測度は区間に対して自然な値を与える。任意の有界区間 に対し、
が成り立つ。端点を含むかどうかで測度は変わらない。これは 1 点集合 のルベーグ測度が 0 であることによる。
より一般に、可算集合のルベーグ測度は 0 である。特に であり、有理数全体は「長さ 0」の集合である。
高次元への拡張
上のルベーグ測度は、 次元の直方体(箱)
の体積 から出発して、同様に外測度を経由して構成する。
別の方法として、1 次元ルベーグ測度の積測度としても構成できる。積測度の一意性から、両者は一致する。
ルベーグ可測集合の特徴づけ
ルベーグ可測集合はボレル集合族より真に大きい。 である。
ルベーグ可測集合は次のように特徴づけられる: がルベーグ可測であることと、任意の に対して開集合 が存在して となることは同値である。
すなわち、ルベーグ可測集合は開集合で任意の精度で近似できる集合である。同様に、閉集合による内側からの近似も可能である。
完備性
ルベーグ測度は完備である。すなわち、測度 0 の集合の任意の部分集合もルベーグ可測であり、その測度も 0 である。
ボレル集合族上のルベーグ測度は完備ではない。 内のカントール集合 はボレル集合で だが、 の部分集合でボレル集合でないものが存在する。ルベーグ可測集合族 は、ボレル集合族にこのような零集合の部分集合をすべて付け加えた完備化になっている。
正則性
上のルベーグ測度は正則である。任意のルベーグ可測集合 に対し、
が成り立つ。これを外部正則性・内部正則性という。正則性は、抽象的な可測集合を具体的な開集合やコンパクト集合で近似できることを保証する。