双対空間はノルム空間の構造を理解するうえで不可欠な概念です。空間上の有界線形汎関数を集めたものとして定義されます。
有界線形汎関数
ノルム空間 上の 有界線形汎関数 とは、 からスカラー体 ( または )への有界線形作用素のことです。
つまり が線形かつ
を満たすものです。
双対空間の定義
上のすべての有界線形汎関数からなる空間を の 双対空間 といい、 と書きます。
は作用素ノルムによってノルム空間になります。 は完備なので、 は常にバナッハ空間です( が完備でなくても)。
典型的な双対空間
| 空間 | 双対空間 |
|---|---|
| () | () |
| () | |
| (零収束数列) |
と の対応では、 に対して汎関数 が定まり、 となります。
二重双対と反射性
の双対空間 を 二重双対空間 といいます。各 は の元を定めます。
写像 は等距離埋め込み を与えます。この写像が全射になるとき、 は 反射的(reflexive)であるといいます。
反射的な空間
, ()、ヒルベルト空間は反射的です。
反射的でない空間
, , , , , は反射的ではありません。