ℓp 空間は数列からなる空間で、関数解析の具体例として最もわかりやすいものの一つです。計算しながら性質を確認しましょう。
ℓp 空間の定義
実数列 x=(x1,x2,x3,…) に対して、1≤p<∞ のとき
∥x∥p=(n=1∑∞∣xn∣p)1/p
が有限になるもの全体を ℓp と書きます。p=∞ のときは
∥x∥∞=nsup∣xn∣
が有限になるもの全体を ℓ∞ とします。
具体的な数列の計算
x=(1,21,31,41,…) を考えます。
ℓ1 ノルム:∑n=1∞n1 は発散するので、x∈/ℓ1
ℓ2 ノルム:∑n=1∞n21=6π2 なので、∥x∥2=6π、x∈ℓ2
ℓ∞ ノルム:supnn1=1 なので、∥x∥∞=1、x∈ℓ∞
空間の包含関係
一般に p<q ならば ℓp⊂ℓq です。
ℓ1⊂ℓ2⊂ℓ3⊂⋯⊂ℓ∞
上の例の x は ℓ2 には入るが ℓ1 には入らない、ということでした。
ℓ2 の内積
ℓ2 は内積
⟨x,y⟩=n=1∑∞xnyn
をもち、ヒルベルト空間になります。ℓp(p=2)では内積が定義できません。
x=(1,0,0,…), y=(1,1,0,0,…) のとき ⟨x,y⟩=1
e1=(1,0,0,…), e2=(0,1,0,…) は ⟨e1,e2⟩=0 なので直交
双対空間
| 空間 | 双対空間 |
| ℓ1 | ℓ∞ |
| ℓp(1<p<∞) | ℓq(p1+q1=1) |
たとえば ℓ2 の双対は ℓ2 自身、ℓ3 の双対は ℓ3/2 です。