正規直交基底によるフーリエ展開は、抽象的に聞こえますが、高校や大学初年度で習うフーリエ級数そのものです。具体例で確認しましょう。
の正規直交基底
次の関数系は の正規直交基底をなします。
正規化係数を外すと、おなじみの です。
フーリエ係数の計算
()のフーリエ係数を計算します。
(奇関数なので)
(奇関数 × 偶関数 = 奇関数)
よって
パーセバルの等式
はフーリエ係数の2乗和に等しくなります。 の場合
一方、フーリエ係数から
両者が等しいので が得られます。
抽象化の意味
「正規直交基底」「フーリエ展開」という言葉を使うと、 以外の空間でも同じ構造が見えてきます。
収束の意味
フーリエ級数は各点収束するとは限りませんが、 ノルムでは必ず収束します。これがヒルベルト空間の完備性の恩恵です。
他の正規直交基底
ルジャンドル多項式、エルミート関数、ラゲール関数なども 空間の正規直交基底になります。三角関数系は最も基本的な例です。