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電気振動はコンデンサーとコイルでつくる「振り子」

充電したコンデンサーにコイルをつなぐと、電荷が行ったり来たりを繰り返します。これが電気振動です[1]

エネルギーはコンデンサーの電場と、コイルの磁場のあいだを往復します。抵抗がなければ、いつまでも減りません[2]

角周波数は次の形です。

後者はトムソンの公式と呼ばれます[3]

ばね振り子と同じ形

つり合いの位置を通りすぎて反対側まで行き、また戻ってくる。この往復は、ばねにつないだおもりの動きとそっくりです[1]

対応をとると、式が 1 対 1 で移し替えられます。

電気振動ばね振り子
電気量 位置
電流 速度
インダクタンス 質量
ばね定数

ばねの周期は です。 に置きかえると になる。同じ式です[2]

が質量にあたるのは、コイルが電流の変化をきらうためです。おもりが速度の変化をきらうのと同じ役まわり。

4 つの局面

1 周期を 4 つに区切ると、エネルギーの居場所が見えます。

コンデンサーが満タン。電流は 0 で、エネルギーはすべて電場にある。
放電のとちゅう。電流が最大になり、エネルギーはすべて磁場へ移る。
逆向きに充電され、また電流が 0 になる。電場に戻る。
逆向きに放電し、電流が最大。以下くり返し。

電流が最大の瞬間、コンデンサーの電圧は です。それでも電流は止まりません。コイルが流し続けようとするので、逆向きに充電が進みます。

エネルギーの合計は変わらない

どの瞬間でも、2 つの和は一定です。

この関係から、電流の最大値がすぐ出ます[1]

ばね振り子で、位置エネルギーと運動エネルギーの和が一定になるのと同じ形です。

抵抗があると減っていく

実際の回路には抵抗があります。1 往復ごとに少しずつ熱になり、振幅が小さくなっていく。

摩擦のある振り子と同じです。抵抗が大きいほど早く止まり、ある値を超えると往復すらしなくなります。

振動を続けさせたいときは、減ったぶんをつぎ足す 回路をつけます。

発振回路と呼ばれる仕組み。時計の水晶や無線機の送信部が、この形で一定の周波数を出し続けている。

例 1:周期を出す

の回路です[1]

ミリ秒。周波数に直すと です。

例 2:電流の最大値

例 1 の回路に をためて放電させます[1]

。コンデンサーが空になる瞬間に、この値になります。かかる時間は 4 分の 1 周期の です[1]

例 3:エネルギーで確かめる

例 2 のはじめのエネルギーを出します。

コイル側でも計算します。

一致しました。どちらから数えても です。

例 4:容量を変える

例 1 の を 4 倍の にします。周期は に比例するので 2 倍。

を 4 倍にしても同じ結果です。周期を 2 倍にしたければ、どちらかを 4 倍にする。

例 5:無線の周波数

の回路を調べます[2]

。中波ラジオの帯域です。 なら電流の最大値は 、全エネルギーは になります[2]

例 6:ばねと数値を並べる

のばね振り子の角振動数を出します。

電気振動で つまり とすると、

同じ値です。式の形が同じなので、数値もそのまま移ります。

電気振動の回路で、コンデンサーの電圧が 0 になる瞬間の電流はどうなっていますか。

  • 0 になる
  • 最大になる
  • 向きが決まらない
__RESULT__

エネルギーがすべてコイルの磁場に移った瞬間です。電荷が 0 なら電場のエネルギーも 0 なので、 が全部を受け持つ。電流は最大になります。ばね振り子が、つり合いの位置でいちばん速いのと同じ関係です。

押さえどころ

角周波数
周期(トムソンの公式)
エネルギー保存 が一定
電流の最大値
ばねとの対応

電気振動の問題は、ばね振り子に置きかえてから解くと見通しがよくなります。どちらの量が「位置」でどちらが「速度」かさえ決まれば、あとは力学と同じ手順です。

抵抗を入れると減衰し、電源をつなぐと強制振動になる。共振も同じ枠組みのなかにあります。

参考文献

14.6: Oscillations in an LC Circuit/University_Physics_II_-_Thermodynamics_Electricity_and_Magnetism_(OpenStax)/14:_Inductance/14.06:_Oscillations_in_an_LC_Circuit). Physics LibreTexts, OpenStax University Physics Volume 2.
Circuit oscillant (L, C). Université en Ligne, Unisciel(フランス語).
LC-Formel(トムソンの公式). Rhetos(ドイツ語).
充電したコンデンサーにコイルをつなぐと、電荷が行ったり来たりします。エネルギーは電場と磁場のあいだを往復し、抵抗がなければ減りません。$T=2\pi\sqrt{LC}$ はばね振り子の $2\pi\sqrt{m/k}$ で $m$ を $L$、$k$ を $1/C$ に置きかえた形。$L$ が質量にあたるのは、コイルが電流の変化をきらうからです。電流が最大の瞬間はコンデンサーの電圧が 0 で、それでも電流は止まらず逆向きに充電が進む。振り子がつり合いの位置でいちばん速いのと同じです。エネルギー保存から電流の最大値を出す計算も入れました。