電磁波はどうやって生まれるのか?光の速さが出てくるまで
変化する磁場は電場を生みます。ファラデーの法則です。逆に、変化する電場も磁場を生みます[1]。
この 2 つが向かい合うと、片方が次の片方を生みながら空間を進んでいけます。電磁波はこうして生まれる。
もとをたどれば、加速する電荷です。電荷が揺さぶられると電場が乱れ、その乱れが有限の速さで広がっていきます[2]。
速さが式から出てくる
つの法則を組み合わせると波の式になり、その速さが定数だけで決まります[1]。
は静電気の実験から、 は電流の実験から決まる値です。どちらも光とは関係なく測られたもの。
入れて計算すると になります[1]。当時すでに測られていた光の速さと一致しました。
光は電磁波である、という結論は、この一致から出ています。
電場と磁場は直交して進む
電場と磁場は、たがいに垂直で、どちらも進む向きに垂直です[3][4]。横波になります。
山と谷のタイミングもそろっていて、同時に最大になり同時に になる[1]。大きさには次の関係があります。
が大きいので、同じ波でも磁場の数値はずっと小さくなります[3]。
送りだす仕組み
電磁波を出すには、電荷を速く揺さぶることになります。 回路を開いた形にしたものが、その道具です[2]。
コンデンサーの極板を左右へ引きのばしていくと、電場が空間へ広がります。最後には 1 本の導線になり、これがアンテナ。
導線そのものが容量とインダクタンスを持つので、開いた振動回路としてはたらきます[2]。長さが波長の半分になる周波数でよく共振する。

波長と周波数
真空中を進む速さはどの電磁波でも同じ です。波長と周波数の積が になります。
電波、赤外線、可視光、紫外線、エックス線、ガンマ線。名前は違っても、周波数が違うだけの同じものです。
ヘルツは 年から 年にかけて、電磁波が 光と同じように反射も屈折もする ことを確かめました[2]。
理論が予言した波を、実際につくって受けとめた実験。無線通信はここから始まる。
例 1:光の速さを計算する
、 を入れます。
電気の実験と磁気の実験だけから、光の速さが出てきました[1]。
例 2:FM 放送の波長
の電波の波長です。
アンテナの長さを半波長にするなら 。実際の FM アンテナがこの寸法なのは、共振させるためです。
例 3:可視光の周波数
波長 の緑色の光を調べます。
毎秒 兆回。電波の とは 7 桁ちがいます。同じ電磁波でも、振動の速さがこれだけ離れている。
例 4:磁場の大きさ
電場の振幅が の電磁波があります。
。地磁気の 分の 1 以下です。数値だけ見ると磁場は小さく見えますが、単位が違うので大小は比べられません。
例 5:回路から電波を出す
、 の回路を開いてアンテナにします。
、波長は です。短波の帯域にあたります。
例 6:太陽から地球まで
太陽と地球の距離は です。
秒、およそ 分 秒。いま見えている太陽は、8 分前の姿になります。
真空中を進む電磁波について、正しいのはどれですか。
- 周波数が高いほど速く進む
- 周波数によらず同じ速さで進む
- 波長が長いほど速く進む
押さえどころ
| 生まれ方 | 変化する電場が磁場を、変化する磁場が電場を生む |
| もとになるもの | 加速する電荷 |
| 速さ | |
| 場の向き | 電場と磁場と進行方向が、たがいに垂直(横波) |
| 大きさの関係 | 。位相はそろう |
| 波長と周波数 | 。真空ではどの電磁波も同じ速さ |
電磁気を積み上げてきた先に、光が出てきます。 はクーロンの法則から、 は電流のあいだの力から決まった値でした。
その 2 つを組み合わせた数が光の速さと一致した。電気と磁気と光が、同じ 1 つのものだと分かった瞬間です。















速さは c=1/ε0μ0 で、真空の性質だけで決まります。周波数も波長も入っていません。c=fλ の関係があるので、周波数が高ければ波長が短くなる、という形で釣り合います。