有理数とは分数になる数です。無理数とはそうでない実数です。より正確に表現すると、有理数とは「分母と分子がともに整数の分数」にできる数です。
数 | 意味 |
---|---|
有理数 | 分数にできる数 |
無理数 | 分数にできない数 |
例えば 1 は 1/1 と分数にできるため有理数です。0.8 は 4/5 と変形できるから、やはり有理数。マイナスがついても同じで、-1.4 は -7/5 となるから有理数。
0 も有理数です。0 は 0/1 と同じなので有理数。有理数という名前はかしこまっていかにも難しそうですが、結局のところ分数でしかありません。そして有理数かどうかは、プラス、マイナス、0 も関係ない。
有理数
- 0
- 整数(1, 2, -4, -9 など)
- 分数(1/3, -2/5 など)
- 無限に不規則に続かない小数(1.2, -0.5 など)
無理数とはなにか?
無理数とは有理数でない数です。つまり○/○という分数にできない数を無理数といいます。例えばルート 2 は分数にできないので無理数。「ルート 2 が分数にできない」という命題はとても有名なので、大学受験生は証明できるようにしてください。
ルート 3 も無理数です。ルート 4 は 2 なので有理数。ルート 5 は無理数。ルート 6 も無理数。
円周率も無理数です。一般に「無限に、しかも無限に不規則に続く小数」は無理数です。無限に続く小数であっても、どこかで規則性が生まれたら無理数になりません。ここが数学的に重要なポイントになります。
☆差がつくポイント
小数点以下に規則性のある小数は有理数になってしまう。逆に、すべての無理数は小数にしたときに、小数点以下が必ず不規則になる。
よくある質問
質問:0 は無理数か?
回答:0 は 0/1 という分数にできるから有理数。
質問:対数関数ででてくる e は有理数?
回答:e は円周率と同じで無理数。e は超越数といわれる「無理数の中の無理数」です。
実数の分類
実数は下図のように分類されます。

real-number
実数は大きく有理数と無理数に分けられます。有理数はさらに整数とそれ以外に分けられ、整数は自然数とそれ以外に分けられます。
範囲の広いものから順に考えるとこうなります。
- 数(複素数)
- 実数
- 有理数
- 整数
- 自然数
それぞれは英語のアルファベットで表します。
数 | 表現 |
---|---|
複素数 | C |
実数 | R |
有理数 | Q |
整数 | Z |
自然数 | N |
このアルファベットを紹介したのは理由があります。有理数は Q で表しますが、この Q は quotient の Q です。quotient は「商」つまり「割り算」を意味する英単語です。まさに有理数が分数そのものであることが、この Q を通じて理解できるでしょう。
有理数と無理数の演算
センター試験の数学 ⅠA では「無理数と無理数を足すと必ず無理数になる」といった正誤問題がしばしば出ます。
○ 有理数+有理数=有理数
○ 有理数+無理数=無理数
× 無理数+無理数=無理数
無理数と無理数を足すと無理数になるように思われますが、実際は
(-√2) + (√2) = 0
という式から誤りだとわかります。