円順列と数珠順列 - 円形に並べる場合の数の考え方
5 人を一列に並べる順列は 通りです。では、5 人が円形のテーブルに座る場合はどうなるでしょうか。一列に並べるときとは違い、円形では「どこが先頭か」という基準がありません。この違いが、円順列という考え方を生み出します。
円順列の考え方
円形に並べるとき、全体を回転させただけの配置は同じものとみなします。たとえば A, B, C の 3 人を円形に並べる場合を考えてみます。
一列に並べると 通りですが、円形ではそのうち回転で重なるものが出てきます。ABC, BCA, CAB はそれぞれ円形では同じ配置です。つまり 3 人の場合、1 つの円順列に対して 3 通りの回転パターンが存在するので、6 通りの中に同じものが 3 つずつ含まれていることになります。
先頭と末尾がある。ABC と BCA は別の並び方。 通り。
先頭がない。回転して一致するものは同じ。 通り。
人を円形に並べると、1 つの配置に対して 通りの回転が同じものとして重複します。したがって一列の順列 を で割った が円順列の公式です。
公式の導出をもう少し丁寧に
円順列の公式を導くには「1 人を固定する」という考え方が直感的です。
円形では回転しても同じ配置になるので、まず 1 人の席を固定してしまいます。たとえば A の席を決めてしまえば、残りの 人を一列に並べるのと同じ状況になります。
なら 通りです。120 通りあった一列の順列が、円形にすると 24 通りに減ります。
円形では「A が北側に座る配置」と「A が東側に座る配置」は回転で一致するため同じです。A をどこか 1 か所に固定しても、すべての本質的に異なる配置を漏れなく数えられます。
A でも B でも、誰を固定しても結果は同じです。固定することで回転による重複を排除しているだけなので、選ぶ人によって答えが変わることはありません。
数珠順列とは
数珠順列は、円順列からさらに「裏返し」も同じとみなす場合の数です。数珠やブレスレットのように、ひっくり返しても同じ配置になるものを数えるときに使います。
円順列では回転のみを同一視しましたが、数珠順列では回転に加えて裏返しも同一視します。裏返すと左右が反転するため、円順列で異なるとされた 2 つの配置が同じになるケースが出てきます。
回転で一致するものだけを同じとみなす。 通り。
回転と裏返しの両方で一致するものを同じとみなす。 通り。
裏返しによって、1 つの配置がもう 1 つの配置と一致するので、円順列の半分になります。
ただしこの公式は のときに成り立ちます。 の場合は裏返しても同じ配置が 1 通りしかないため、 とはならず、答えは 1 通りです。
具体例で確認する
5 色のビーズで数珠を作るとき、並べ方は何通りあるか求めてみます。
まず円順列として考えると 通りです。数珠は裏返しても同じなので、これを 2 で割ります。
一列に並べれば 120 通りだったものが、円形にすると 24 通り、さらに裏返しを考慮すると 12 通りまで減りました。
一列の順列 通り
円順列 通り
数珠順列 通り
円順列の練習問題
7 人が円形のテーブルに座る方法は何通りですか?
- 5040 通り
- 2520 通り
- 720 通り
- 360 通り
数珠順列の練習問題
6 色のビーズを使って数珠を作るとき、並べ方は何通りですか?
- 720 通り
- 120 通り
- 60 通り
- 30 通り
まず円順列は 通りです。数珠は裏返しも同じとみなすので 通りになります。
円順列で間違えやすいポイント
円順列と通常の順列を混同しやすい場面として、「席に番号がついている場合」があります。たとえば番号のついた 5 つの椅子が円形に並んでいるとき、5 人の座り方は円順列ではなく通常の順列 通りです。席に番号があると「どの位置に座るか」が区別されるため、回転しても別の配置として扱われます。
同様に、観覧車のゴンドラに乗る場合も各ゴンドラは区別されるため、通常の順列で計算します。
ゴンドラには番号や位置の区別があり、回転させても同じ配置にならないため。
「回転して同じになるか?」を基準に、円順列を使うべきかどうかを判断してください。目印や番号があれば通常の順列、なければ円順列です。
円順列の公式 (n−1)! を使います。(7−1)!=6!=720 通りです。7!=5040 は一列に並べる場合の数なので、円形では n で割ることを忘れないようにしてください。