高校数学 - 共通因数のくくり出しと因数分解の基本
因数分解とは、ひとつの式をいくつかの因数の積の形に変換する操作です。展開の逆の操作ともいえます。たとえば を に書き換えるのが因数分解で、 を に戻すのが展開です。
積の形 → 和の形に変換する。
和の形 → 積の形に変換する。
因数分解を正確に行うためには手順があります。最初に必ず確認するのが「共通因数のくくり出し」です。
共通因数のくくり出し
すべての項に共通して含まれる因数を見つけ、それを括弧の外に出す操作を共通因数のくくり出しといいます。因数分解の第一歩として、まずこの操作が可能かどうかを確認します。
たとえば という式を見てみます。第 1 項 と第 2 項 には、いずれも が因数として含まれています。そこで を外にくくり出すと次のようになります。
くくり出した結果が正しいかどうかは、展開して元の式に戻るかで確認できます。 となるので、正しく因数分解できています。
もう少し複雑な例として を考えます。各項を分解すると次のとおりです。
3 つの項すべてに が共通して含まれているため、 をくくり出します。
共通因数のくくり出しを忘れたまま他の公式を適用しようとすると、式が複雑なまま進んでしまい、途中で行き詰まることがあります。因数分解に取りかかるときは、まず共通因数がないかを確認する癖をつけてください。
基本的な因数分解公式
共通因数をくくり出したあとは、括弧の中身に対して因数分解の公式を適用します。高校数学で頻繁に使う公式は以下の 4 つです。
と です。真ん中の項が の形になっているかどうかが見分けるポイントになります。
です。2 つの項がそれぞれ何かの 2 乗になっていて、引き算の形であれば適用できます。
です。 の係数が 1 のとき、定数項の積が 、 の係数が となる 2 数を探します。
に分解できる形です。 の係数が 1 でない場合に使います。この公式にはたすき掛けという手法が対応しています。
公式を使った因数分解の例
を因数分解してみます。 であり、 なので、 の形に当てはまります。
次に を考えます。 の係数が 1 なので、掛けて 12、足して になる 2 数を探します。 と がその条件を満たすため、次のように分解できます。
続いて です。、 なので、2 乗の差の公式を使います。
因数分解の手順
ここまでの内容をまとめると、因数分解に取りかかるときの手順は次のようになります。
共通因数がないか確認し、あればくくり出す
括弧の中身が公式に当てはまるか調べる
公式を適用して積の形にする
展開して元の式に戻るか検算する
この手順を守れば、基本的な因数分解で迷うことはほとんどありません。特に最初の「共通因数のくくり出し」と最後の「検算」は見落としやすい工程なので、意識して取り組んでください。
を因数分解した結果として正しいものはどれですか?
共通因数は 6x です。12x3÷6x=2x2、−18x2÷6x=−3x、6x÷6x=1 なので、6x(2x2−3x+1) が正解です。最大の共通因数をくくり出すことがポイントになります。