高校数学Ⅰの命題と条件について解説します。命題と条件、特に必要条件と十分条件はセンターの数学で必ず出るところです。この記事を読んでぜひ理解してください。
条件はpやqという記号で表します。例えば「雨が降ったら傘をさす」は「雨が降る」と「傘をさす」の二つがくっついた文です。この二つを条件といいます。「雨が降る」をp、「傘をさす」をqとすると
p→q
となります。この文を命題といいます。

proposition_1
二つの条件が→でつながったものが命題です。
かつとまたは

proposition_2
pとqをそれぞれ「Windowsを持っている」「Macを持っている」とします。このときpでない、pかつq、pまたはqは上図のようになります。
pでない…Windowsを持っていない
pかつq…両方持っている
pまたはq…どちらかは必ず持っている
pかつqはわかりやすいと思いますが、pまたはqは少しわかりにくいかもしれません。pまたはqは最低限どちらかを持っているという意味です。両方持っている人もこれに当たります。つまりpまたはqはpかつqを含んだ概念です。

proposition_3
必要条件と十分条件
p→qが真実のとき、qはpであるための必要条件といいます。逆にpはqであるための十分条件といいます。

proposition_4
下図の例を見て感覚をつかみましょう。

proposition_5
x^2>1はx>Ⅰであるための必要条件です。しかしx^2>1はx>Ⅰであるための十分条件ではありません。図にあるようにx=-1といった例があるからです。命題は、少しでも例外があったら真実といえません。間違いであることを示す例を反例といいます。この場合はx=-1が反例です。
p→qもq→pも正しいとき、qはpであるための必要十分条件といいます。

proposition_6
必要十分条件は同値ともいいます。