二次方程式の解と係数の関係
二次方程式 の 2 つの解を とするとき、解を直接求めなくても や の値がわかる関係式があります。これを解と係数の関係(ヴィエタの公式)と呼びます。
解と係数の関係の導出
二次方程式 ()が 2 つの解 を持つとき、左辺は次のように因数分解できます。
これを展開すると、
つまり となります。もとの方程式 と係数を比較すると、
両辺を で割れば、解と係数の関係が得られます。
(2 解の和)
(2 解の積)
解の公式は解そのものを求めるのに対し、解と係数の関係は解の和と積だけを係数から直接読み取る
特に のとき、 の 2 解について 、 となり、非常にシンプルな形になります。
例題 1:解の和と積を求める

の 2 つの解を とするとき、 と を求めよ。
なので、解と係数の関係をそのまま適用します。
実際に解の公式で求めると で、和は 、積は と一致します。このように、解を求めずに和と積がわかるのがこの公式の強みです。
例題 2:対称式の値を求める
解と係数の関係が真価を発揮するのは、 や のような対称式の計算です。対称式とは と を入れ替えても値が変わらない式のことで、すべて と で表せるという重要な性質を持ちます。

の 2 つの解を とするとき、 と を求めよ。
まず解と係数の関係から 、 です。
は次の変形で求めます。
は通分すると と だけで表せます。
は最頻出の変形です。2 乗の和を直接扱うのではなく、和の 2 乗から積の 2 倍を引くという発想がポイントになります。
も定番の変形です。通分するだけで和と積の形に帰着します。
例題 3:3 乗の和を求める

の 2 つの解を とするとき、 を求めよ。
解と係数の関係から 、 です。
3 乗の和には因数分解の公式を使います。
値を代入すると、
この公式は から導くこともできますが、上の形のほうが と をそのまま代入できるため実用的です。
例題 4:2 解を持つ二次方程式の復元

2 つの解の和が 、積が であるような二次方程式を 1 つ求めよ。
解と係数の関係を逆に使う問題です。、 のとき、 として、
に代入すれば、
が得られます。実際に因数分解すると で、解は と です。和は 、積は で条件を満たしています。
この逆問題は、 と覚えておくと便利です。解がわかっていて方程式を作る場面は、二次方程式の復元と呼ばれ、数列や他の分野でもよく登場します。
与えられた和と積から二次方程式を構成する操作のこと。
例題 5:定数を含む方程式

の 2 つの解の比が であるとき、定数 の値を求めよ。
2 解を とおきます。解と係数の関係から、
第 1 式から なので です。第 2 式に代入すると、
このように「2 解の比」「2 解の差」などの条件が与えられたとき、解と係数の関係を連立方程式として使うのが定石です。
例題 6:差の 2 乗と判別式

の 2 つの解を とするとき、 を で表せ。
差の 2 乗を展開すると、
この結果は判別式 で としたものと一致します。つまり という関係があり、判別式が「2 解の隔たり」を測る指標であることが見て取れます。
2 解の差の 2 乗は和と積だけで表せる
なら異なる 2 実数解、 なら重解、 なら実数解なし
よく使う対称式のまとめ
| 対称式 | 変形 |
|---|---|
解と係数の関係は、解を求める手間を省くだけでなく、対称式の計算や方程式の復元、定数の決定など幅広い場面で活躍します。「和と積がわかれば十分」という発想に慣れることが、二次方程式を自在に扱うための鍵になります。
の 2 つの解を とするとき、 の値は?
- 16
- 24
- 26
- 36
α+β=6、αβ=5 なので、α2+β2=62−2⋅5=36−10=26 です。