e^x と log x の微分公式|高校数学Ⅲ
数学Ⅲでは指数関数 と対数関数 の微分が登場する。どちらもネイピア数 と深く結びついており、 が微分においてなぜ特別な数なのかを理解することが重要になる。
の定義
ネイピア数 は次の極限で定義される。
と置き換えれば、
とも書ける。 の値は であり、無理数かつ超越数だ。この数が微分で特別な役割を果たす理由は、 の微分公式に直接現れる。
の微分
の導関数を定義から求める。
ここで とおくと であり、 のとき なので、
よって、
微分しても自分自身に戻るという性質は だけが持つもので、これが という数の本質的な特徴である。
を 100 回微分するとどうなるか。
の微分
()の導関数を定義から求める。
とおくと であり、 のとき なので、
であるから、
のべき乗の微分公式 では のとき定数、 のとき が得られるが、 の原始関数が であるという事実は、対数関数が微分体系の中で埋めている独自の位置を示している。
と の関係
と は互いに逆関数の関係にある。 ならば であり、グラフは直線 に関して対称だ。
微分の観点からも両者は対をなしている。
(自分自身)
( の逆数)
逆関数の微分公式 からもこの関係は確認できる。 のとき なので、逆関数 について となり、 と一致する。
合成関数と組み合わせた例
実際の計算では や が単独で現れることは少なく、合成関数の微分と組み合わせて使うことがほとんどだ。
の微分は、 とおけば なので、
の微分は、 とおけば なので、
一般に、合成関数の微分と組み合わせた公式を書くと次のようになる。
特に の微分が という「元の関数分の微分」の形になる点は、対数微分法の基礎として後の学習でも繰り返し使うことになる。
の導関数はどれか。
合成関数の微分により、外側の を微分して 、内側の を微分して をかける。
の対数の微分
のとき は定義されないが、 なら の範囲で定義できる。 のときは なので である。 のときは なので、
どちらの場合も結果は同じで、
が成り立つ。積分で と絶対値をつける理由はここにある。
重要な極限公式
と の微分を導く過程で使った次の 2 つの極限は、数学Ⅲ全体を通じて繰り返し登場する。
の における微分係数そのもの。 という事実と同値である。
の における微分係数そのもの。 という事実と同値である。
どちらの公式も「 の定義から微分公式を導く」流れと「微分公式から極限値を読み取る」流れの両方向で理解しておくと、問題への対応力が上がる。
(ex)′=ex なので、何回微分しても ex のまま変わらない。