積の微分法と商の微分法|高校数学Ⅲ

数学Ⅱでは多項式についてのみ微分を扱ったが、数学Ⅲでは など多様な関数が登場する。これらの関数同士の積や商を微分するには、専用の公式が必要になる。

積の微分法

関数 の積 の導関数は、次の公式で求められる。

この公式は「片方を微分してもう片方はそのまま」を 2 通り作り、足し合わせる構造になっている。導出は導関数の定義に立ち返ればわかる。

とおくと、

ここで分子に を加えて引く(何も変えていない)と、

となるので、右辺は に収束する。

積の微分法の計算例

を微分する。, とおくと、

もう一つ、 を微分する。

このように、積の微分では結果をそのまま書き下してから共通因数でまとめると見通しがよくなる。

3 つ以上の関数の積

積の微分法は 3 つ以上の関数にも拡張できる。 の導関数は次のようになる。

パターンは同じで、「1 つだけ微分して残りはそのまま」を全通り足す。

の導関数はどれか。

__RESULT__

3 つの関数 , , のそれぞれを 1 つずつ微分し、残り 2 つはそのままにして足し合わせる。, , を代入すればよい。

商の微分法

関数 の導関数は次の公式で与えられる。

分子は「(分子の微分)×(分母)−(分子)×(分母の微分)」という構造で、積の微分の に変わった形になっている。分母は元の分母の 2 乗である。

導出は と見て積の微分法を適用すればよい。 の微分は合成関数の微分から となるので、

が得られる。

商の微分法の計算例

を微分する。

次に を微分する。

商の微分は分子が長くなりがちなので、因数分解できないか確認する習慣をつけると計算ミスに気づきやすい。

の微分

商の微分法で とした特殊ケースもよく使う。

たとえば なら、

積の微分法

(足す)

商の微分法

(引く、分母の 2 乗)

積と商が混在する場合

実際の問題では積と商が組み合わさった関数が出てくる。たとえば のような関数は、分子を積の微分、全体を商の微分として処理する。

分子 の微分は なので、

分子から をくくり出すと、

このように段階を分けて処理すれば、複雑な関数でも機械的に微分できる。

の導関数はどれか。

__RESULT__

商の微分法を適用する。, とおくと、, なので、 となる。