オリバー・クロムウェル(1599~1658)は、イングランドの政治家。チャールズ1世を追放し、イングランド・コモンウェルスを成立させた。
年 | 出来事 |
---|---|
1625 | チャールズ1世、即位 |
1642 | ピューリタン革命 |
1645 | ネイズビーの戦い |
1649 | チャールズ1世を処刑 コモンウェルスの成立 アイルランド征服 |
1650 | スコットランド征服 |
1651 | 航海法の成立 |
1652 | 第一次英蘭戦争、始まる |
1653 | 議会解散、護国卿になる |
1654 | 第一次英蘭戦争、終わる |
1658 | 死去 |
1660 | 王政復古でチャールズ2世が国王になる |
ピューリタン革命とネイズビーの戦い
1625年にチャールズ1世がイングランド国王になると、イングランドでピューリタン(プロテスタント)の弾圧が始まった。
カトリックの強制とプロテスタントの弾圧により、イングランドは王党派と議会派に分かれた。
王党派 … カトリック派、貴族階級
議会派 … プロテスタント派、ジェントリ
※ジェントリは地主階級のこと。
議会派のクロムウェルは鉄騎隊というを軍を組織し、チャールズ1世と王党派と争った。ネイズビーの戦いなどの重要な戦闘で勝つと、クロムウェルは長老派をとチャールズ1世を追放し、コモンウェルス(Commonwealth of England)を成立させた。ここで長老派とは議会派の一派のこと。
※議会派は三つのグループに分かれていた。
派閥 | 主義 | 支持者 |
---|---|---|
長老派 | 立憲王政 | 貴族 |
水平派 | 共和制 | 大衆 |
独立派 | 共和制と教会の独立 | クロムウェル |
コモンウェルスとは、王や上院のない政治体制のことで「共和政」と訳される。クロムウェルは長老派を追放する際に水平派と同盟している。
アイルランドとスコットランドの征服
クロムウェルはアイルランドとスコットランドを征服した。どちらもケルト人の土地で、ケルト人はカトリックだった。
クロムウェルのアイルランド征服は「虐殺」に近い行為がともなった。アイルランドを植民地化すると、アイルランド人を貧しい小作人として労働させた。この屈辱的な歴史は、21世紀までつづくアイルランドとイギリスの確執になった。
イギリス・オランダ戦争
当時、オランダはヨーロッパの中継貿易から富を得ていた。これを不服としたイギリスは、イギリスとの貿易をイギリス船に限るといった法律(航海法)を制定する。
イギリス航海法により、オランダの経済は打撃を受ける。こうしてイギリスとオランダは1652年に第一次英蘭戦争を始めた。
独裁政権
1653年、クロムウェルは議会を解散して独裁政権を成立させた。英蘭戦争を終わらせるなどの業績を残し、1658年に死去した。
クロムウェルは厳格なピューリタンであり、その強硬な政治は民衆の反発を招いた。
王政復古
1660年、クロムウェルに追放されていた長老派はチャールズ2世を王とした。オリバー・クロムウェルの子、リチャード・クロムウェルはフランスに亡命した。