媒介変数表示された曲線の面積
曲線が の形で与えられていれば面積は で求まるが、曲線が媒介変数(パラメータ) を使って 、 と表されている場合はどうするか。置換積分の考え方を使えば、媒介変数のまま面積を計算できる。
基本公式の導出
曲線 、 と 軸で囲まれた領域の面積を考える。通常の面積公式 に対して、 より と置換する。 が から に動くとき が から に動くなら、
が成り立つ。これが媒介変数表示の面積公式だ。 を に書き換えただけで、本質は置換積分そのものである。
ここで重要なのは、 の積分区間 と の積分区間 の対応関係を正しく把握することだ。
のとき 、 のとき となるように区間を設定する。 で が減少する場合は符号に注意が必要。
楕円の面積
媒介変数表示の面積計算で最も有名な例が楕円だ。楕円 は、
と媒介変数表示できる。第一象限( が から )の面積を求めて 4 倍すればよい。
第一象限では が から に動くとき が から に動く。 だから、
半角公式 を使って、
よって楕円全体の面積は
とすれば円の面積 に一致する。媒介変数表示を使うことで、楕円の面積公式が自然に導かれた。
を積分。ルートの処理が面倒
の積分に帰着。半角公式だけで計算が完結
サイクロイドの面積
サイクロイドは、半径 の円が直線上を滑らずに転がるとき、円周上の一点が描く曲線で、
と表される。一つのアーチと 軸で囲まれた面積を求めよう。
だから、
を展開すると、
各項を から で積分すると、 と の項は消え、
が得られる。サイクロイドのアーチの面積は、転がる円の面積 のちょうど 3 倍になるという美しい結果だ。
媒介変数 , で表示。面積は で、 の積分に帰着する。
媒介変数 , で表示。アーチの面積は で、 の展開と積分で求まる。
符号と向きに関する注意
媒介変数表示の面積計算では、 の増加方向と の増減が逆になる場合がある。楕円の例では が から に向かうとき が増加するため、積分区間を入れ替えて符号を調整した。
一般に、面積を正の値として得るためには次のルールに従う。
曲線の向き( の増加方向)を確認
の増減方向を の符号から判定
面積が負にならないよう積分区間と符号を調整
具体的には、 の領域で ( が減少)ならば となるので、積分値に を掛けるか、積分区間を逆にして対処する。
閉曲線の面積公式
曲線が閉じている場合( が から で一周する場合)、面積は
のいずれかで求まる。2 つの式を平均すると、対称性の高い公式
も得られる。この公式は閉曲線が反時計回りに一周するとき正の面積を与える。向きが逆なら符号が反転するので、絶対値を取ればよい。
媒介変数表示の面積計算は、置換積分の応用として自然に理解できる。公式を丸暗記するよりも、 に を代入するという発想を身につけておけば、どんな曲線にも対応できる。