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サイクロイドの面積は転がる円のちょうど 3 倍……媒介変数のまま積分できる

半径 の円を直線の上で転がすと、円周上の 1 点がサイクロイドを描きます。1 山と 軸で囲まれた面積は 。

転がる円の面積 のちょうど 3 倍です。この値は 1634 年に求められました[1]。

曲線が の形になっていないため、面積の式もそのままでは書けません。 と が両方とも で書かれている。

置換積分を使えば、 のまま計算できます。

を で書きかえる

面積の式は です。ここに 、 を入れます。

だから、 は に変わる。 が から まで動くあいだに が から まで動くとすると、次の形になります。

新しい公式ではありません。 の と をそれぞれ の式にとりかえただけです。

S = ∫ y dx から始める

y を g(t)、dx を f’(t) dt に置きかえる

区間を x の値から t の値に書きかえる

例 1:サイクロイドのアーチ

サイクロイドは次の式で表されます。 で 1 山ぶん。

です。 と同じ形になりました。

中を展開し、 を に直します。

と は から まで積分すると消えます。残るのは定数の項だけ。

向きが逆になるとき

が増えるあいだに が減ることがあります。このとき で、 も負になる。

積分の値は負になりますが、面積そのものは正です。区間の順を入れかえるか、答えの符号を反転させます。

どちらを使ってもよい。大事なのは、 に対応する を下端、 に対応する を上端に置くことです。

例 2:楕円の面積

楕円は次のように書けます。

第 1 象限だけを求めて 4 倍します。 が から へ動くとき、 は から へ動く。向きが逆です。

だから、次のようになります。

区間を入れかえたところで が消えました。全体は です。

例 3:円で確かめる

例 2 で とすると 。円の面積に戻りました。

楕円は円を縦に 倍へ押しつぶした形だから、面積も 倍になるはずです。 で合っています。

媒介変数の計算は符号のとり違えが起きやすいところ。答えが求まったら、こうして知っている形に戻して見比べます。

例 4:アステロイド

星形の曲線です。 で 1 周します[2]。

です。1 周ぶんの を計算し、符号を反転させます。

を 1 周ぶん積分すると になります。

星形は 軸と 軸の両方向に ずつ張り出すため、差し渡し の正方形にちょうど収まります。正方形の面積 に対する割合は で、3 割ほど。

例 5:ループを囲む面積

次の曲線を で描くと、輪が 1 つできます。

は の偶数乗だけ、 は奇数乗だけ。 を にとりかえると は変わらず、 の符号だけ反転する。この曲線は 軸について対称です。

でどちらも 、。同じ点を 2 回通るところが、輪の交点になります。

下半分だけを計算して 2 倍します。 では 、。

値が負になったのは の側を測ったためです。絶対値をとって 2 倍する。

区間のとり方に気をつける

の区間を決めるときは、 が行ったり戻ったりしていないかを見ます。同じ の値を 2 回通ると、面積を二重に数えることになる。

例 5 のような輪では、行きと帰りで別々に扱うか、対称性を使って半分だけ計算します。

サイクロイドの 1 山では、 のあいだ 。 は減らずに進むため、区間をそのまま使えます。

、 の曲線と 軸、 で囲まれた部分の面積を で表すとどれですか。

__RESULT__

の を に置きかえます。 は にあたる。3 番目は を計算した式で、別の量になります。

媒介変数で面積を計算したら値が負になりました。まず見るところはどれですか。

  • 計算まちがい
  • の増加につれて が減っているかどうか
  • が負になっているかどうか
__RESULT__

なら が負になり、積分の値も負に出ます。区間の上下を入れかえれば符号が直る。 が負の場合も値は負になりますが、その場合は 軸より下の面積を測っています。

の 2 つを の式にとりかえ、区間も の値に書きかえる。 の符号を見て向きをそろえれば、 について解けない曲線でも面積が計算できます。

参考文献

Cycloid. MacTutor History of Mathematics Archive, University of St Andrews.
Astroide. Lexikon der Mathematik, Spektrum der Wissenschaft.
$x = r(t-\sin t)$、$y = r(1-\cos t)$ の 1 山と $x$ 軸で囲まれた面積は $3\pi r^2$。$x$ について解かなくても、$S = \displaystyle\int y\,dx$ の $y$ と $dx$ を $t$ の式にとりかえれば計算できます。新しい公式ではなく、置換積分そのもの。楕円で $\pi ab$、アステロイドで $\dfrac{3\pi a^2}{8}$ が同じ手つきで求まります。$t$ が増えるあいだに $x$ が減ると積分の値が負に出るので、$\dfrac{dx}{dt}$ の符号を先に見る。同じ $x$ を 2 回通る曲線で面積を二重に数えないとり方、輪を囲む部分の面積 $\dfrac{24\sqrt{3}}{5}$ まで。