曲線の長さ(弧長)の求め方
曲線の長さ(弧長)を求める問題は、面積や体積と並ぶ積分の重要な応用だ。直線の長さは 2 点間の距離で求まるが、曲がった線の長さはどう測るのか。微小な線分の長さを足し合わせるという発想が、弧長の積分公式に直結する。
弧長公式の導出
曲線 ()の長さを考える。区間 を 等分し、隣り合う 2 点を線分で結ぶと、折れ線の長さの総和は
となる。 を代入して でくくると、
の極限をとれば、これは定積分になる。
これが で表された曲線の弧長公式だ。被積分関数 は微小な線素 の長さに対応している。
弧長公式の核心は、ピタゴラスの定理にある。微小区間での水平変位 と垂直変位 から、線素の長さ を作り、それを積分するという構造だ。
曲線上の無限に短い区間の長さ。 と書ける。
媒介変数表示の弧長
曲線が 、 と媒介変数表示されている場合、、 を代入して、
となる。 と をそれぞれ で微分し、二乗和のルートを積分する形だ。
具体例 1:放物線の弧長
()の弧長を求めてみよう。 だから、
と置換すると 、 となり、
の積分は部分積分を使って
と求まる。 のとき 、 だから、
弧長の計算では、ルートを含む積分が現れることが多く、三角関数置換が頻繁に必要になる。
具体例 2:サイクロイドの弧長
サイクロイド 、()の一周期分の弧長を求める。
、 だから、
展開すると、
半角公式 を使えば、
では なので絶対値は外せる。よって、
サイクロイド一周期の弧長は で、転がる円の直径 のちょうど 4 倍になるという簡潔な結果が得られる。
の積分になり、三角関数置換と の積分が必要。計算はやや煩雑だが、手順通りに進めれば求まる。
半角公式により被積分関数が に簡約され、初等的な積分で が得られる。
極座標での弧長
曲線が極座標 で表されている場合の弧長公式も導いておく。、 を で微分すると、
二乗和を計算すると により交差項が消え、
よって極座標での弧長公式は
となる。たとえばアルキメデスの螺旋 やカージオイド の弧長がこの公式で求まる。
の弧長: を積分
媒介変数の弧長: を積分
極座標の弧長: を積分
いずれの形式でも「微小線素を足し合わせる」という基本思想は同じだ。曲線の表現方法に応じて使い分ければよい。弧長の計算では の中身をいかに簡単にするかが勝負であり、三角関数の恒等式や半角公式が頻繁に活躍する。