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分母をまるごと t と置く分数関数の積分|高校数学III の置換積分

の分母に という名前をつけます。 なら で、分子がまるごと に変わる。

はつねに正だから、絶対値は外して書けます。

分子が分母の微分になっていない形でも、分母に名前をつける手は使えます。そのとき分子のほうを で書き直すことになる。

分母を と置く

と置いたら、式に残った をすべて で表します。残せるのは と だけ。

分子が にちょうど吸われる形なら になり、答えは です。

吸われずに が残る場合は、 の式に直してから積分します。分母を 1 次式や 2 次式にすると、この書き直しがそのままできる。

分母を t と置く

dt = (分母)’ dx を作る

分子に残った x を t の式に直す

例 1:定数倍だけずれている

とすると で、分子の は にあたります。

ずれが定数倍だけなら、前に出して調整できます。

例 2:分子の次数のほうが高い

と置きます。 です。 を と割り、 と読みかえる。

に戻します。定数の は積分定数に吸わせてよい。

微分すると となり、もとの式に戻りました。

1 次式を と置く

分母が の形なら、 と置くと分子も の多項式になります。 を代入するだけ。

割り算で帯分数に直す道もありますが、分母が 3 乗や 5 乗のときは置換のほうが行数が短い。

例 3:

と置きます。、。

に戻して、次のとおり。

分子の を に直したことで、 の負べきの和になりました。

例 4:

同じ置き方です。。

に戻せば答えです。分子を展開する手間だけで、あとはべきの積分が並ぶ。

根号を と置く

分母に根号があるときは、根号のほうに名前をつけます。 とし、両辺を 2 乗して を で表す。

根号が消えて、 の分数式になります。

例 5:

と置きます。、、。

だから で、絶対値は外れます。

を と割ったところが計算の山です。分子の次数が分母と同じなら、まず割る。

例 6:

と置きます。 から 、。

分母の と から現れた が約分されました。 だから、2 つの分数の差に割れる。

右辺を通分すると になり、もとに戻ります。

に戻して、次の形になります。

canvas: 置き場が受け取りませんでした

分母が消える点をまたがない

例 6 の式は で分母が になります。 では根号の中も 。

つまり の側と の側で、別々の原始関数になっています。 から までの定積分は書けません。

の中に絶対値がついているのは、この 2 つの側をまとめて 1 本の式で書くためです。区間をまたいでよいという意味ではない。

微分して確かめる

置換の答えは、微分すればその場で確かめられます。例 3 の答えを微分してみます。

通分すると で、もとの式に戻りました。

に戻し忘れた答えや、 を に換算し忘れた答えは、この 1 行で落ちます。

はどれですか。

__RESULT__

とすると で、分子の は にあたります。 は を落とした形で、微分すると になります。

で と置くと、 はどれに変わりますか。

__RESULT__

の両辺から を引いて です。 は符号をまちがえた形で、代入すると分母が になり約分してもきれいになりません。

分母に名前をつけ、残った を の式に直す。分子が に吸われれば が現れ、吸われなければ の多項式や負べきの和になります。

$\displaystyle\int\dfrac{2x}{x^2+1}\,dx$ は分母に $t$ という名前をつけるだけで $\displaystyle\int\dfrac{dt}{t}$ に変わり、答えは $\log(x^2+1)$。分子が $dt$ に吸われない形でも同じ手が通ります。残った $x$ を $t$ の式に直せばよく、$\dfrac{x^3}{x^2+1}$ なら $x^2 = t-1$、$\dfrac{x}{(x+1)^3}$ なら $x = t-1$ と書きかえる。分母に根号があるときは根号のほうを $t$ と置きます。$\dfrac{1}{x\sqrt{x+1}}$ が $\dfrac{2}{t^2-1}$ に変わって差の形に割れるところ、$\log$ の絶対値は区間をまたいでよいという意味ではないところまで。