判別式が負の二次不等式はどうなるか?解なしとすべての実数
因数分解できない二次不等式に当たったら、まず判別式を計算します。
と分かった時点で、答えは「すべての実数」か「解なし」のどちらかに決まる。境目の値を探す作業そのものが消えます。
交わらない放物線は符号が変わらない
は、放物線が 軸と交わらないという意味です。交点がないため、符号が入れ替わる場所もない。
下に凸なら放物線はまるごと 軸より上にあり、値はどこでも正。上に凸ならまるごと下にあり、値はどこでも負。

平方完成すると隙間が見える
を平方完成します。
は 以上で、そこに を足しているため、全体は 以上。いちばん小さくなる のときでも値は で、 には届きません。
という計算は、この隙間があることを ひとつで言い当てています。
のときの 4 通り
で下に凸なら、二次式の値はつねに正。 になる が 1 つもないところが効いてきます。
| 不等式 | 解 |
|---|---|
| すべての実数 | |
| すべての実数 | |
| 解なし | |
| 解なし |
と が同じ答えになるところが、境界が 2 本あるときとの違いです。値が をとらないため、等号を足しても新しく加わる がない。
のときの 4 通り
上に凸なら値はつねに負で、答えがそっくり入れ替わる。
| 不等式 | 解 |
|---|---|
| 解なし | |
| 解なし | |
| すべての実数 | |
| すべての実数 |
例:解がすべての実数になるもの
を解きます。 で負。
の係数が で正だから下に凸。放物線は 軸より上に浮いていて、 はどこでも成り立つ。
答えはすべての実数。 で 、 で と、離れた 2 点でも成り立っています。
例:解なしになるもの
を解きます。 で負。
係数が で上に凸だから、値はつねに負。 を満たす は 1 つもない。
答えは解なし。 で 、 で と、どこを試しても負のまま。
の解はどれですか。
- すべての実数
- 解なし
係数を正にそろえてから判定する
上に凸のまま扱う道と、両辺に をかけて下に凸へそろえる道があります。
の両辺に をかけると、不等号の向きが変わる。
こちらは で負、下に凸。答えはすべての実数。もとの式でも、上に凸で値がつねに負だから が成り立ち、同じ結論に着きます。
判別式と因数分解のどちらを先にするか
が平方数なら因数分解でき、そうでなければ解の公式か、 で終わる。
因数分解が目で見つかる形なら、そちらが短い。 は足して 、かけて の 2 数が並びます。
見つからないときに を計算すると、 ならその場で答えが決まり、 なら解の公式へ移る。どちらに転んでも 1 回の計算で先が決まります。
定数を含む式
がすべての実数で成り立つ を求めます。
下に凸はすでに決まっているため、あとは 軸と交わらない条件を書けば足りる。
から 。
なら でつねに成り立ち、 なら で が成り立たない範囲になります。範囲の内と外で、答えが食い違いました。
がすべての実数で成り立つ の範囲はどれですか。
です。すべての実数で が成り立つのは のときなので 、つまり 。 では接してしまい、 で値が になって を満たしません。
判定に使う情報は 2 つだけ
の符号と の符号。この 2 つが決まれば、 の場合の答えは表から読めます。
境界を求めなくてよいぶん、根号の計算も区間の書き分けも起きない。因数分解できない式に当たったときは、まず を計算して、この 2 つで終わるかどうかを見ます。











D=1−4=−3 で負、係数が 1 で下に凸です。放物線は x 軸より上に浮いているため、値はつねに正。<0 を満たす x はありません。>0 ならすべての実数になります。